トラの知恵

利息とは?利回りの違いを解説。単利、複利についても理解しよう

公開日: 最終更新日:

利息や利回りといった言葉はややこしく、分かりにくいと感じている人もいるでしょう。二つの違いを把握できるよう、それぞれの意味を解説します。また投資をする上で重要な、単利と複利の違いについてもチェックしましょう。

そもそも利息とは?

よく聞く利息という言葉は、何を意味しているのでしょうか?利子との違いを知ることで、はっきりと区別できます。また利息の計算方法もチェックしましょう。利率や利用日数が分かれば、自分で簡単に計算することが可能です。

借入金に上乗せして支払われる金額

お金を借りると、返済するときには、借りた金額より多く支払うのが一般的です。この借入金より多く返済する金額を『利息』といいます。

レンタカーを借りると、借りた時間や日数に応じて料金を支払わなければいけません。お金も同じで、借りたなら利用料やレンタル料を支払う必要があります。借りたお金の利用料にあたるのが利息です。

利息の計算方法

利息は『元金×利率×利用日数÷365日』という計算式で算出できます。例えば10万円を利率10%で30日間借りた場合、10万円×10%×30日間÷365日=822円と算出可能です。

このケースでは、元金の10万円に822円を加え10万822円を返済します。同じ内容で180日間お金を借りた場合の利息も計算しましょう。10万円×10%×180日間÷365日=4,932円と、30日間借りたときより利息が多くなります。

同じ金額でもお金を借りる期間が長いほど、利息の負担が大きくなると分かるでしょう。

「利子」との違いは?

利子と利息はその人の立場によって、どちらを使うかが以下のように変わります。

  • 利息:お金の貸し手が使う
  • 利子:お金の借り手が使う

例えばAさんが銀行からお金を借りたなら、元金の返済とともに『利子』も支払わなければいけません。一方、Aさんが銀行にお金を預けると、金額と期間に応じて『利息』を受け取ることができます。

どちらの立場から使うのかを考えて選ぶと、利息と利子を使い分けしやすいでしょう。ただし、利子と利息はいずれもお金の貸し借りを行う上での対価であり、実社会では混在して使われていることも多いです。

利回りとは?


利子は借りたお金を返済するとき、元金に上乗せされる金額と分かりました。では利回りとはどのような意味なのでしょうか?利率との違いも確認し、正しく理解しましょう。計算の仕方も解説します。

投資金額に対する収益の割合

『利回り』は投資金額に対する収益の割合で『収益÷投資金額×100』で計算できます。例えば100万円を投資し1年後に105万円になった時点で売却したとします。このとき利子が1万円付いていました。

{(105万円-100万円)+1万円}÷100万円×100=6%のため、このときの利回りは6%と分かります。利回りは投資金額に対するすべての収益の割合です。そのため利子はもちろん売却益も合わせて計算します。

利回りと利率はどう違う?

一方、投資金額に対する利子の割合を示すのが『利率』です。100万円を投資し1年後に1万円の利子を受け取ったとしたら、その投資の1年間の利率(年利)は1%と分かります。

投資の世界では、利率という言葉は債券に対して用いられます。利付債券の利息は、債券の額面金額に対して毎年支払われるもので、利率は発行されたときの金利水準や、国や企業など発行体の信用度によって決まります。この利率はクーポンとも呼ばれています。

クーポンとは?

単利と複利の違い

資産運用を行う際、『単利』と『複利』の違いについても理解しておくことが重要です。同じ金額の投資資金であっても、単利と複利のどちらを選ぶかで、長期間運用した後の金額に大きな違いが出てきます。

単利とは

単利は『元金』に対してだけ利息が付くことを指します。例えば、100万円を年率5%で運用できるとします。1年後に105万円になりますが、このとき増えた5万円を出金し、2年目もまた元金の100万円のみを投資に回すことにします。この様に得られた利息を出金し元金のみで投資を繰り返すことが単利での運用です。

この例では、増えた利息分を除き元金だけを再び投資し続けるため、何年運用を続けたとしても元金は変わりません。利息を受け取ってはいますが、利率が一定なら資産が増えるのは毎年5万円ずつのみです。

10年後には150万円、20年後には200万円と着実に増えてはいますが、効率的に増やせているとはいえません。

複利とは

効率的に資産を増やすには、元金に利息も加えて再投資する『複利』が向いています。100万円を年率5%で運用する場合、1年後は単利と同じ5万円しか増えません。

しかし2年目は105万円を投資するため、利息は5万2,500円となります。3年目は110万2,500円を投資するため、利息はを5万5,125円となります。

このように利息を元金に加えることで毎年投資元本が増え続けるため、運用期間が長くなるほど増え方が加速するのが複利の特徴です。

投資では複利効果が重要

利子の増え方が加速していく複利は、投資で資産を増やすときに重要な役割を果たします。そのため複利効果を生かした運用をしましょう。ポイントは『早く』始めて『長く』続けることです。

運用期間が長くなるほど複利は効果を発揮します。そのため早く運用し始めるほど、少ない元金で目標金額を達成しやすいでしょう。元金として使える資金が少ない人ほど、複利を活用した資産形成が向いています。

利回りの注意点

投資金額に対する収益の割合である利回りが高い金融商品は、それだけ大きな利益を期待できる商品です。

しかしだからといって、利回りだけで投資を判断してはいけません。高利回りの商品ばかりに投資をしていると、リスクが高くなり過ぎてしまいます。

高利回りの投資は注意

利回りの高さは魅力ですが、反面リスクも高い傾向があります。低リスク高リターンの投資はありません。利回りが高く大きなリターンを期待できる商品ほど、リスクも高くなります。

高リスクの投資商品は、運用に成功すれば大きな利益につながりますが、失敗したときの損失も大きくなりがちです。投資によっては、大きな損失によって投資元本の大半を失うこともあることを認識して投資先を選ぶことが大事です。

利回り以外にも着目する

投資を始めるときには、利回り以外の特性にも注目して商品を選びましょう。例えば『安定性』は重要なポイントです。どれだけ高利回りであっても、安定した運用ができなければ損失につながりかねません。

高リスク高リターンの商品だけでなく、低リスク低リターンの商品とも組み合わせれば、より安定性の高い運用を目指せます。ただし低リスク低リターンの商品ばかりでは、資産が増えるスピードはそこまで期待できません。

リスクとリターンのバランスがうまく取れるよう、利回りと同時に市場の状況や社会情勢なども考慮しつつ投資商品を決定しましょう。

リスクの度合いで投資先を選べる「トラノコ」

トラノコは、投資の3大原則である長期・分散・積み立てを無理なく、楽しく簡単に実現できる資産運用サービスです。トラノコで毎月コツコツ積み立て投資を行えば、投資における複利の効果も期待できます。

トラノコでは3つのファンドから1つを選ぶだけで手軽に投資ができます。投資先ファンドはいずれも幅広い分散投資を行っていますが、株式などのリスク度合いが比較的高い資産の割合が大トラは高め、小トラは低め、中トラは中間となっており、ご自身のリスク許容度で選択が可能です。

資産運用サービス「トラノコ」

まとめ

利息と利回りは、似た言葉ですが意味は違います。利息がお金を借りたときに元金に上乗せして支払われる金額であるのに対し、利回りは投資金額に対する収益の割合です。

高利回りの投資はリスクも高いため、単に利回りの高さだけで選ぶのでなく、安定性や状況もよく判断した上で投資する商品を選択しましょう。

また、資産運用を行う際には、複利の効果を活用することが重要です。できるだけ早いタイミングで複利を生かした投資を始め、コツコツ投資を続けると、複利の効果で長期的には資産を大きく成長させることができます。

利息・利子・利回り・利率といった紛らわしい言葉の意味を押さえた上で、自分に合う投資商品を探してみましょう。

関連記事