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貯金の仕方にはコツがある!無理なく上手に貯める方法を紹介

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※この記事は2021年11月1日時点の内容となります。最新のNISAに関してはこちらの記事をご参照ください。

日本人の平均貯蓄額は550~600万円程度で、年齢が高くなるにつれて貯蓄が多くなる傾向にあります。毎月一定額を貯金している人が多い傾向ですが、まったく貯金のない人も珍しくありません。この機会に、無理なく上手に貯金する方法を知っておきましょう。

貯金の基本を知ろう

まずは貯金の基本を押さえておきましょう。毎月一定額を確実に貯金していくには、現状のお金の使い方を把握するとともに、目標額をしっかりと定めておくことが大切です。

何にいくら使ったかを把握する

思い立ったときに貯金するのではなく、まずは家計の収入・支出の状況をしっかりと把握しましょう。

毎月どれぐらいのお金が入ってきて、どれぐらい使っているのかを把握していなければ、計画的な貯金はできません。その上で、収入から支出を差し引いた額が常にプラスになるように生活する必要があります。

当たり前に感じられるかもしれませんが、意外に多くの人がずさんな家計管理になってしまっています。毎月必ずお金が残るようにして、その黒字分を貯金に回す意識を持つことから始めましょう。

目標とする貯金額を決める

毎月コンスタントな貯金ができるように家計を管理することに加えて、目標とする貯金額を明確にしておくのも大切です。何も考えずに貯金するのではなく、いつまでに、どれぐらいの金額を貯金するのか決めておきましょう。

人生にはライフイベントと呼ばれる、大きな支出をともなう出来事があります。例えば、結婚や出産、育児、住宅の購入など、多額の支出が必要になる場面があるはずです。

これらに結び付けて具体的な貯金額を考えると、貯金の計画が立てやすくなるでしょう。当然、ライフイベントの時期を正確に予測するのは困難ですが、大まかに設定するだけでも目標額が定まりやすくなります。

毎月の貯金額の目安は?

では、毎月の貯金はどれぐらいの金額を目安にすればよいのでしょうか? 人によって貯金に適した金額は変わってきますが、自分の収入を基準に考えるのが基本です。

最低でも収入の10~20%以上は貯金する

貯金額は収入の10~20%程度が目安とされています。例えば、月収30万円の人ならば月に3~6万円ずつ貯金すると、生活費とのバランスを取りながら、無理なく貯金を続けられるでしょう。

当然、急な出費が求められる場合もあるので、必ず設定額の貯金を維持する必要はありません。ただし、イレギュラーな出来事がない限り、設定した金額を定期的に貯金に回す習慣をつけることが大切です。

給与や収入を得た時点で、決まった金額を預金口座に移すようにすれば、無駄使いを防ぎつつ、確実に貯金を続けられるでしょう。

特別費の積み立ても考慮する

通常の貯金の他に、特別費の積み立ても考慮しましょう。冠婚葬祭の費用や学校の入学金、車検代など、あらかじめ支払いが確定している項目を特別費として積み立てておけば、貯金を切り崩す必要がなくなります。

しっかりと積み立てがされていないと、家計の乱れや貯蓄意欲の低減につながる可能性があるので注意しましょう。予期できる大きな出費に関しては、生活費や貯金とは別に管理することが大切です。

自分に合ったお金の管理方法を見つけよう

毎月の貯金額を設定し、コンスタントにお金をためるためには、自分に合ったお金の管理方法を見つけることが大切です。

人によってお金を使いたい場面は変わるので、以下のポイントを意識しながら、何にお金を使うのか、どこで出費を抑えるのかを明確にしておきましょう。

家計簿をつけて管理する

毎日のお金の流れを家計簿につけて管理するようにしましょう。収入内でのやりくりが苦手な人には家計簿がおすすめです。

お金の使い道を細かく管理すれば、余計な出費を防げるようになるでしょう。家計簿用のアプリも数多くリリースされているので、スマホから簡単にお金の管理ができます。

決めた予算内で生活する

毎月の生活費を決めておき、その予算内で生活するように心掛けることも大切です。例えば、毎月の収入の10~20%を貯金に回し、さらに特別費の積み立てを10%加算した場合、収入の70%程度で生活すれば、安定して貯金ができることになります。

給与が振り込まれた日に、貯金分と積み立て分を早々に別口座に移しておけば、収入以上の出費を防げるのでおすすめです。生活口座以外の預金用口座を用意しておくとよいでしょう。さらに1日自由に使えるお金を設定し、その範囲内で生活するといった工夫も試みてみましょう。

クレジットカードを上手に活用する

毎日のちょっとした支払いを現金で済ませる人は多いでしょう。しかし、クレジットカードをうまく使うことで、安定した貯金につながります。

カードの種類にもよりますが、特典をもらえたり割引が適用されたりなど、逐一現金で支払うよりもお得に買い物ができるケースは少なくありません。

さらに、家賃や光熱費などもクレジットカードで支払うようにすれば、ポイントがたまりやすく、商品券やギフトカードなどと交換できる場合があります。

ただしクレジットカードの場合、人によっては金銭感覚が鈍って使い過ぎてしまう恐れがあるため、こまめに利用状況を確認することが大切です。

お金の使い過ぎを防ぐためには?

次に、お金の使い過ぎを防ぐためのポイントを紹介します。基本的には貯金用の口座を作って、そこに定期的にお金を入れるようにすることです。

また無駄使いをしてしまう人は、お金を強制的に貯金口座へ移るように設定しておけば、結果的にお金の使い過ぎを防げます。詳しく見ていきましょう。

生活用と貯金用に口座を分ける

生活用の口座と貯金用の口座は、分けて作るようにしましょう。生活用の口座のみでは自然と出費が増えて、お金の管理がしにくくなります。

別々の口座で管理しなければ、今月必要なお金と将来必要になるお金は、分けて考えることができなくなってしまうのです。

口座には生活費がまだ残っていると思い込み、本来貯金しておくべきお金も使ってしまう可能性があります。生活用の口座と貯金用の口座のほか、可能であれば緊急時に使えるお金をためておく口座も作っておきましょう。

用途や目的によって口座を分ければ、自然とお金がたまりやすく、安心して生活できるようになります。

パーキンソンの法則を知ろう

パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者であるパーキンソンが自著の中で提唱した法則です。人間の仕事量や支出・収入額に関する内容で、以下のような法則になっています。

  • 第一の法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
  • 第二の法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

貯金に関するのは第二の法則で、何も手を打っていない場合、支出は収入の額に達するまで増え続けてしまうことを示しています。

誰もがこの法則に当てはまるわけではありませんが、パーキンソンの法則の発生を回避するためにも、口座管理を徹底して定期的に貯金をする習慣づけが大切です。

先取り貯金で強制的に貯金する

知らず知らずのうちにお金を使ってしまう人は、先取り貯金で強制的に貯金する方法が有効です。具体的には、自動積立定期預金や自動入金サービスなどを利用すれば、収入を得た時点ですぐに貯金用の口座にお金を移せるようになります。

自動積立定期預金は毎月指定した期日に、特定の口座から定期預金口座にお金が振り替えられるものです。さらに自動入金サービスを利用すれば、メインで使っている銀行口座とは違う金融機関の口座からでも、入金処理が可能になります。

いずれも金融機関での手続きが必要となりますが、一度設定しておけば、自動的に貯金されるようになるので便利です。

貯金スピードをアップするには?

続いて、貯金のスピードを上げるためのコツを解説します。毎月一定額をコツコツと貯金すれば、将来必要なお金をためられますが、貯金スピードをアップさせられれば、ライフステージにおけるさまざまな場面で役立つでしょう。

キャリアアップや転職で年収を上げる

毎月の貯金額をアップさせるには、収入額を増やすか、支出を減らすかの二つしかありません。収入額を増やすには、社内で昇進したり、転職で年収を上げたりする方法があります。

人によってキャリアアップの方法は変わってきますが、自分の強みを生かせる仕事に就くことが、年収アップにもつながるでしょう。

自分で稼ぐ力を身に付ける

個人で稼げる力を身に付けることも年収アップにつながり、ひいては貯金スピードのアップにもつながります。

近年は、起業して会社員時代の年収以上に稼いでいる人は珍しくありません。しかし、会社に所属したまま、副業で年収アップを実現する人も増えています。

人によって向き不向きはありますが、個人の仕事で高いパフォーマンスを発揮できれば、ダイレクトに年収アップにつながるため、貯金額も増やせるでしょう。

資産運用でお金を増やす

資産運用でお金を増やす方法も有効です。ここ数十年、普通預金の金利はほぼゼロ(約0.001%)の状態が続いているため、銀行口座にただお金を預けているだけでは、資金を増やすのは困難です。

一定額を貯金しつつ、投資信託などに投資すれば低リスクで資金を増やせるでしょう。元本割れのリスクもゼロではありませんが、いわゆるインデックスファンドを利用すれば比較的安全にお金を運用できます。

より安全に資金を増やしたいならば、つみたてNISAや国債の購入を検討するとよいでしょう。近年は数百円から投資できるファンドもあるため、初心者でも気軽に始められます。

支出管理をしながらおつりを投資に回す

近年は資産運用ができるアプリも登場しており、簡単な操作だけで資産を増やせます。例えば、投資アプリの「トラノコ」は、毎日の買い物の「おつり」を自動で投資できるのが特徴で、nanacoポイントやマイルでの投資も可能です。

ユーザー自身が振り込む必要はなく、月に1度、その月に投資選択したおつりの合計が銀行口座から引き落とされる仕組みになっています。

株式投資のような資産運用はハードルが高いと感じる人は、少額からの長期分散投資となるトラノコから始めてみるとよいでしょう。

App Store:トラノコ
Google Play:トラノコ

無駄な支出を抑えるコツは固定費の見直し

収入アップを目指すことも貯金を増やすポイントですが、無駄な支出を抑えることも安定した資産形成には欠かせません。余計な支出を増やさないために、以下のように固定費を見直しましょう。

住宅ローンや家賃を下げる

持ち家の場合は住宅ローンの金額を下げたり、アパートやマンションなどの場合は家賃の安い物件に引っ越したりすることで、毎月の固定費を減らしてみましょう。

従来、適正家賃は収入の3分の1などといわれていますが、より安く抑えられるのであれば、それに超したことはないでしょう。

人によっては収入の半分以上を、家賃や住宅ローンの支払いに回さざるを得ない状況にあるケースも少なくありません。

住宅に関する費用が家計を圧迫している状況なので、毎月の支払いを減らす工夫が必要になります。住宅ローンの場合は繰り上げ返済をすれば、毎月の支払額を減らせるでしょう。

不要な保険やサブスクなどは解約する

近年は、さまざまな保険やサブスクリプション(定額支払い)のサービスが存在しています。複数のサービスに加入して、毎月多くのお金を支払っている人は珍しくありません。

一つひとつの保険料やサブスクの支払いは少額ではあるものの、それらが積み重なって、月に数万円の支払いになっている人も多いのです。不要な保険やサブスクなどを解約することで、毎月の固定費を下げられないか考えてみましょう。

特に、医療保険は重い病気やケガなどにならない限り、掛け捨てで支払い続ける状態になります。相応のリスクを覚悟できるならば、解約するという選択肢も有効です。

スマホの料金プランを見直す

スマホの料金プランの見直しもしてみましょう。多くのスマホユーザーは、料金プランに設定されている最大通信量までインターネットを利用していません。

特に、データ容量無制限のプランに加入していても、外出時しかスマホでインターネットを利用しない人も少なくないのです。

基本的に最大通信量が多くなれば、それだけ月額料金は高くなります。自分が毎月利用しているデータ量に合わせて契約プランを変更すれば、料金を下げられる可能性があるのです。

また、いわゆる「格安スマホ」は大手キャリアよりも、サービスの利用料金が安く設定されています。大手キャリアから格安スマホに乗り換えれば、毎月の支払いを抑えられるようになるでしょう。

格安スマホは大手キャリアの回線を一部借りているため、場所によってつながりにくいという不具合は、徐々に解消されつつあります。

貯金1カ月目から心掛けたい節約習慣

毎月一定額を貯金するためには、心掛けたい節約習慣があります。貯金を初めて1カ月目であっても多くの人が効果を実感しているので、ぜひ挑戦してみましょう。

マイボトルを持ち歩く

最近では、職場にマイボトルを持ち込んで水分の補給をしている人が増えています。毎日コンビニエンスストアなどでペットボトルを購入するよりも、自宅でペットボトルにお茶や水を入れてくれば、十分な節約効果が見込めます。

仮に毎日コンビニエンスストアでお茶を購入していると、1カ月間で約5000円近くの出費(※160円×30日=4800円)になるでしょう。一方、自宅でお茶を作り、マイボトルに入れる習慣に変えたとすると、年間で4~5万円近くも出費を減らせることになります。

麦茶は約50パック入りが250円程度で売られているので、毎日ペットボトルのお茶を購入するのに比べると、かなりの節約につながるでしょう。

お金を使わずに過ごす日をつくる

月間で何日かを「ノーマネーデー」に設定して、まったくお金を使わずに過ごすようにすれば、年単位でかなりの節約になります。

例えば、仕事の日はお弁当を作って持ってきたり、その日はコンビニやスーパーを利用しないなどと決めておけば、お金を一切使わずに過ごせるはずです。電車やバスなどで通勤する場合は、会社から支給された交通費を使って、定期券を購入しておくとよいでしょう。

休日の場合でも、お金がかからない趣味に没頭したり、食事も自炊するように心掛けたりすれば、まったくお金を使わずに過ごせます。

まずは月に1度、ノーマネーデーを設定してチャレンジしてみましょう。慣れてくると、お金を使わない日が増やせるようになるはずです。

ノーマネーデーを続けると、お金の使い道をしっかりと考えられるようになるので、自然と無駄使いをしなくなります。また食料品や日用品なども、本当に必要なものかどうかを吟味して購入できるようになるでしょう。

自分と他人の生活を比べない

近年は、SNSの台頭により、多くの人の生活ぶりをインターネットから気軽に見られるようになっています。それにともない、自分と他人の生活を比べがちになり、生活レベルを上げるために無理にお金を使ってしまう人も多いようです。

他人から良い生活をしているように見られるためだけに、無駄な買い物をしていると、いつまで経っても十分な貯金ができません。無理に他人と比べたりせずに、まずは自分のライフプランをしっかりと立てて、毎月一定額を貯金に回すことが大切です。

浪費しないための休日の過ごし方

最後に、無駄にお金を使わないための休日の過ごし方を紹介します。無目的に休日を過ごしてしまうと、いつの間にかお金を使ってしまう場合が少なくありません。まずは目的をしっかりと決めるようにしましょう。

目的を決めてメリハリをつける

休日は何となくレジャー施設に出掛けたり、外食したりする人は多いはずです。しかし、休日のたびに外出ばかりしていは、年間で大きな出費になります。休日にどうやって過ごすか、しっかりと目的を定めて、できるだけお金を使わない過ごし方を考えてみましょう。

例えば、家族で思い出を作るのが目的ならば、近所の公園などに出掛けて一緒に運動をするだけでも、子どもと楽しく過ごすことができます。「何となく」で行動すると浪費につながるので、しっかりと目的意識を持って休日を過ごすようにしましょう。

セール会場には近づかない

お店のセールや値下げなどに影響されて、余計な買い物をしてしまう人は多くいます。浪費を避けるためにも、セール会場には近づかない方が無難です。

当然、必要なものを安く買うのは問題ありませんが、それ以外に「安いから」という理由で、その時点で必要のない商品まで買ってしまう人は珍しくありません。

買い物に行く前に、何が必要かを明確にしておき、それ以外の余計なものを買わないようにすることが大切です。

近年はオンラインショップでも大規模なセールが開催される場合も多いので、安さに釣られて不要なものを買わないように注意しましょう。

貯金のコツを知って無理なく目標額を達成しよう

毎月、安定して貯金を続けるには、余計な出費を減らしつつ、貯蓄計画をしっかり立てることが大切です。貯金がなかなかできないのは、収入に見合った生活ができていないことや、急な出費に備えられていないことなどが原因と考えられます。

特に「そんなに使っていないのに、なぜお金がたまらないのだろう?」と悩んでいる人は、何にお金を使っているか把握できていないケースが多いようです。お金がたまらない原因を理解し、無駄な支出を抑えるように工夫しましょう。

余計な出費をなくし、収入を増やしていけば、自然と安定した貯金ができるようになります。お金の節約は誰でもすぐに始められるので、今日からでもすぐにスタートしてみてはいかがでしょうか?

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