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外貨預金のメリットとは?外貨預金を始める前に知っておきたいこと

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外貨預金には、普通預金と比べて高い金利でお金を預けられるメリットがあります。また為替の値動きによって利益を得られる可能性もあるでしょう。ただしメリットばかりではありません。損失のリスクもあるため、始める前に押さえておきましょう。

外貨預金ってなに?

外貨預金のメリットやリスクについて詳しく知るために、まずは外貨預金の基礎知識を見ていきましょう。円預金との違いも確認します。

外国の通貨(外貨)で預金すること

外貨預金の外貨とは外国の通貨のことです。米ドルやユーロなど外国の通貨で預金することを外貨預金といいます。

預金のため、元本保証があるのが特徴です。例えば元本として100ドル預けたとしたら、預金が100ドルを下回ることはありません。(ただし、円に再び換算したときに、円の価値が下がっていると元本割れを起こすことはあります)預けている間は利息が付きます。

引き出すときには元本と利息を合わせた金額を受け取れる仕組みです。

円預金との違いは?

お金を銀行へ預ける預金の仕組み自体は変わりません。一般的な円預金との最大の違いは、外貨でお金を預けている点です。

円預金は円を預け、円のまま保有し、円を引き出します。預け入れから引き出しまで、お金はずっと日本円のままです。

一方、外貨預金は円を外貨へ交換した上で預け入れます。預けている間のお金は外貨で、引き出すときは外貨から日本円に両替する仕組みです。

外貨預金を持つメリット

わざわざ円を外貨に両替する手間をかけて預金するのは、それだけのメリットがあると考えられているからです。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

金利が高い通貨もある

外貨預金のメリットとして『金利』の高さが挙げられます。預金は一定期間預けることで金利がつきます。金利は国の政策の影響を受けるため、通貨によって高いものもあれば低いものもあります。

日本は金利が低い状態が長く続いており、他の通貨と比べると相対的に金利が低い状態です。そのため金利が高い通貨を選び円を両替して預金すれば、日本円で持ち続けるより高い金利を得られる可能性があります。

例えばみずほ銀行の普通預金の金利は『0.001%』なのに対し、外貨普通預金の米ドルであれば『0.010%』です。預ける通貨が変わるだけで、金利が10倍も高くなります。

為替の動きにより利益を得られる可能性も

『為替』の動きによって得られる利益も無視できません。通貨の相場は日々変動していて、1ドル=110円というタイミングもあれば、1ドル=90円というタイミングもあります。

例えば、1ドル=90円の円高のときに90万円分をドルに両替すると1万ドルです。次に1ドル=110円の円安のときに、先程ドルに両替し預金していた1万ドルを引き出します。すると1万ドル×110円=110万円が引き出されます。

最初に預けた90万円との差額である20万円が『為替差益』です。日々変わる為替の動きを活用することで、利益を得られる可能性があります。

海外旅行や留学で使うこともできる

海外旅行や海外留学をするときには現地の通貨が必要です。お金を渡航先の通貨に両替し預金していれば、そのまま現地通貨として引き出し利用できる銀行もあります。

例えば旅行先のATMで現地通貨を引き出したり、外貨でカード決済をしたりできます。為替の値動きをチェックし、あらかじめ円高のタイミングで両替し預金しておくことも可能です。

旅行や留学の直前に円安になったとしても、事前に外貨として用意してあれば安心です。

リスクについても知っておこう

外貨預金は金利や為替に注目して活用すると、利益が出る可能性があると分かりました。しかしメリットばかりでなくリスクもある点に注意しましょう。代表的なリスクを解説します。

損失が発生する可能性がある

為替の値動きで利益が出る可能性がある外貨預金は、反対に損失が出る可能性もあります。これが『為替変動リスク』です。

タイミングよく円高のときに預金し、円安のときに出金できれば利益になります。しかし円高がそのまま進み続けたらどうでしょうか?

例えば1ドル=100円のときに100万円をドルに両替し、1万ドル預金したとします。この後に円高になり1ドル=90円になったとしたら、預金している1万ドルを円に両替すると90万円です。

当初の100万円より10万円減り、『為替差損』が発生してしまいます。為替の値動きで得られるメリットもありますが、リスクもある預金の仕方です。

預金保険制度の対象にならない

日本国内で円を預金する場合、ほとんどの金融機関は『預金保険制度』へ加入しています。そのため、金融機関が破綻したとしても、預けていたお金は一定金額まで保障される仕組みです。

一方、外貨預金は預金保険制度の対象外のため、預け入れ先の金融機関が破綻すると預金がそのままなくなってしまいます。大切な預金を守るため、金融機関の経営状態をよくチェックしなければいけません。

1カ所に資産を集中させず、複数の金融機関に分散させるといった対策も必要です。

まとめ

外貨預金は外国の通貨で預金する仕組みです。日本円をそのまま普通預金に預けるより高い金利の通貨もあり、為替の動きで利益を得られる可能性もあります。

ただし為替の動きを読み間違えると、損失が発生するかもしれません。預金保険制度の対象外のため、金融機関の経営破綻時には預金を失うリスクもあります。

外貨預金をはじめる前には、メリットだけでなくリスクもしっかり検討しましょう。

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