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お金がかかる年末年始はどうやって乗り切る?ムダな出費を抑える方法を紹介

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年末年始はイベントや買い物が重なり、1年の中でも特に出費が多くなる時期です。「どうやって乗り切ればよいのか」と不安を感じている人もいるのではないでしょうか。財布の紐がゆるみがちですが、少しの工夫でムダな出費を抑えることが可能です。

この記事では、年末年始に支出が増える理由とその内容、お金を賢く使うための具体的な方法を紹介します。

なぜ年末年始は出費が増えるのか

年末年始は特別な行事や人付き合いが多く、通常月よりも支出が大幅に増える傾向にあります。総務省のデータをもとに、どのような項目で支出が増えているのかを詳しくみていきましょう。

家計調査から見える年末年始の支出傾向

総務省の「2024年家計調査」によると、二人以上の世帯における、消費支出の平均額の推移は以下のとおりです。

2024年の月平均額 30万243円
1月 28万9,467円
2月 27万9,868円
3月 31万8,713円
4月 31万3,300円
5月 29万328円
6月 28万888円
7月 29万931円
8月 29万7,487円
9月 28万7,963円
10月 30万5,819円
11月 29万5,518円
12月 35万2,633円

出典)総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)」

1年間で消費支出が最も多いのが、12月の35万2,633円です。2024年の月平均額30万243円に比べて、12月は約5.2万円支出が増えています。

主な出費項目と増加要因

以下は、2024年12月の消費支出の内訳をまとめたものです。

食料 10万4,867円
住居 2万3,341円
光熱・水道 2万4,031円
家具・家事用品 1万4,495円
被服および履物 1万1,727円
保健医療 1万7,613円
交通・通信 4万5,262円
教育 1万786円
教養娯楽 3万3,700円
その他の消費支出 6万6,811円
(うち諸雑費3万919円、交際費2万3,320円)

出典)e-Stat政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯(表番号2 二人以上の世帯)」

食料は10万円を超えており、全体の約3割を占めています。その他の項目では、交通・数審や教養娯楽、諸雑費、交際費などが前月(11月)に比べて増加しています。

この結果から、12月の消費支出が年間平均を上回る背景には、特に次の4項目が影響していると考えられます。

  • 食費:クリスマスやお正月の準備にかかる食材や外食の支出
  • 交際費:忘年会やお歳暮、お年玉など、人付き合いに関する支出
  • レジャー・旅行費用:帰省や旅行の交通費や宿泊費
  • 買い物費用:年末セールや福袋などの買い物に関する支出

年末年始を乗り切るには、これらの出費をいかに抑えるかが重要になるでしょう。

 

年末年始の出費を抑えるための基本戦略

支出項目ごとの対策の前に、まずは年末年始の出費を抑えるための基本的な戦略を押さえておきましょう。

まずは支出を見える化する

出費を抑える第一歩は、自分が何にどれだけ使っているかを把握することです。家計簿をつけて毎月の収入や支出を記録し、家計の収支状況を一目でわかるようにしましょう。

毎月の収支状況を把握できるようになれば、「年末年始の支出はいくらまでに抑えればよいか」といった予算感もつかめるようになります。

家計簿をつける際は、家計簿アプリを利用すると便利です。銀行口座やクレジットカードなどと連携すると自動的に家計簿を作成してくれるため、無理なく続けられます。

関連記事:新社会人が身につけるべき家計管理の方法は?無理なく貯蓄するコツも紹介

イベントごとに予算を設定する

忘年会、クリスマス、帰省など、イベント単位で予算を設定することも重要です。あらかじめ上限を決めておくことによって、「予算を守らなければ」という心理が働き、支出をコントロールしやすくなります。

ただし、予算を厳しくしすぎるとイベントを楽しめなくなるかもしれません。ある程度余裕をもった金額に設定することを意識しましょう。

 

食費を抑えるコツ

食費は、年末年始の支出の中でも特に大きな割合を占めます。早めの準備と少しの工夫で、無理なく節約することが可能です。

まとめ買いと冷凍保存で食材をムダなく活用する

年末に近づくほど、肉や魚、かまぼこなどの年末食材は価格が上がる傾向にあります。必要な食材は12月中旬ごろまでにまとめ買いし、冷凍保存しておくのがおすすめです。年末にあわてて買い出しをするよりも支出を抑えられる可能性があります。

多くの食材を冷凍保存できるよう、早めに冷凍庫の整理をしておくとよいでしょう。

できるものは手作りする

クリスマスケーキやおせちは、購入するとまとまった支出となります。材料を買って手作りすれば、購入するよりも費用を抑えることが可能です。

クリスマスケーキは、市販のスポンジケーキを活用すると比較的簡単に手作りできます。子どもたちと一緒に作ればよい思い出になるでしょう。

おせちは一部だけ手作りして、残りを市販品で補う方法もあります。

自炊を心掛けて外食の回数を減らす

年末年始は忙しいため、つい外食に頼りがちです。しかし、外食は1回あたりの金額が大きく、回数が多くなるほど支出が増えてしまいます。年末年始もなるべく自炊をして、外食の回数を減らすと家計への負担軽減につながるでしょう。

自炊が難しいときは、スーパーの総菜や弁当をテイクアウトするのも一つの方法です。外食よりは安く済むため、「余裕がある日は自炊」「疲れたときはテイクアウト」と使い分けるだけでも節約になります。

 

交際費の見直し方

交際費については、人とのつながりを大切にしつつも、無理のない範囲で支出を抑える工夫が必要です。

忘年会・新年会は一次会だけ参加する

忘年会や新年会は、1回あたりの費用は数千円でも回数が多くなればまとまった支出となります。一次会に参加するだけでも、メンバーとは十分に交流できるでしょう。また、同じメンバーが集まる会が複数ある場合は、どれか一方に絞って参加するのも有効です。

贈り物は金額より気持ちを重視する

お歳暮やお年賀のやり取りは、必ずしも形式的に続ける必要はありません。関係性によっては、相手と話し合ったうえでやめるのも選択肢の一つです。

また、贈り物は高価なものより、相手の好みに合った品を選ぶほうが喜ばれることが多いでしょう。

お年玉のルールを家族で話し合う

家族や親戚が多いと、お年玉もまとまった支出になることがあります。お年玉は年齢や相場に合わせて金額を決めがちですが、可能であれば、親戚同士で金額の目安を共有しておくと偏りを防ぐことができます。

小さな子どもには、現金の代わりに図書カードやおもちゃなどを贈る方法もあります。

 

レジャー・旅行や買い物の出費を抑える方法

レジャー・旅行や買い物関連の支出を抑えるには、事前の計画がポイントとなります。

早割やオフピークを活用する

航空券や鉄道の特急券、ホテルの宿泊は、早めの予約で料金が割引される「早割」が適用されることがあります。事前に予定がわかっている場合は、早割を受けられるかを確認してみましょう。

また、年末年始の前後など、混雑ピークを避けた日程を選ぶとスムーズに移動でき、費用も抑えられるメリットがあります。

セール・福袋は必要なものだけに絞る

年末年始は無計画にショッピングセンターなどに行くと、セール品や福袋などを衝動買いしてしまうかもしれません。あらかじめ「買うものリスト」を作り、必要なものだけを購入しましょう。

福袋については、中身が公開されているものを選ぶとハズレを防ぐことができます。

 

年明けのお金の管理も忘れずに

年末年始の支出が多かった場合は、1月を「家計のリセット月」として支出を見直すのがおすすめです。クレジットカードや電子マネー、スマホ決済アプリの履歴、レシートをチェックして、何にいくら使ったかを振り返りましょう。

年末年始に使いすぎた分を2月・3月でリカバリーする意識を持つことが大切です。

 

まとめ

年末年始は出費が増える時期ですが、「家計の見える化」「イベントごとの予算設定」「早めの計画・行動」を意識すれば、家計への負担を減らすことは可能です。

食費や交際費、レジャー・旅行費用など、支出が増えやすい項目を中心に無理のない計画を立てることで、ストレスなく過ごすことができるでしょう。

今年の年末年始は、賢く節約しながら家族や友人と楽しい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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