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資産運用のコツはお金の使い分け!貯金の何割を投資にまわすべき?

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2024年1月から始まった新NISAの影響で、ニュースやインターネット上で「資産運用」「投資」というワードを見聞きする機会が増えた方は少なくないでしょう。これから資産運用や投資を始める方にとって、お金の使い分けは非常に重要になってきます。この記事では、スムーズに資産運用を始めるために、資産運用のコツや基本的な考え方を紹介します。

資産運用は「3つのお金」に分けて考える

資産運用の方法には大きく分けて「貯蓄」と「投資」があります。貯蓄とは、主に金融機関に預貯金することで、基本的に元本が保証されます※。投資は常に値動きする金融商品(株式や投資信託など)で運用する方法です。預貯金より大きな利益が狙える反面、損をする可能性もあります。

※預貯金している金融機関が破綻した場合、普通預金や定期預金などは1つの金融機関につき「元本1,000万円までと破綻した日までの利息」が保証(保護)されます。(当座預金などの決済用預金は全額保護対象)。

参考:預金保険機構「預金保険制度の基礎知識

資産運用を始める際は、まずお金を次の3つに分け、そのうえで資産運用の方法を決めると効果的です。どのようなお金でどのような運用方法が適しているのか見ていきましょう。

直近の生活に必要なお金

「直近の生活に必要なお金」とは、主に食費や居住費、光熱費などの生活費のことです。金額としては、生活費の3か月分~6か月分を目標に準備することをおすすめします。

3か月分~6か月分というのは、災害で避難が必要になった場合や、病気・けがによる失業などで収入が得られなくなった場合に備えておきたい期間の目安です。近年は自然災害の頻発化により被災リスクが高まっており、長期間の避難生活を強いられる可能性もあるので、余裕があれば6か月分~1年分程度まで徐々に備えを増やせるとより好ましいでしょう。

「直近の生活に必要なお金」は日常生活や万が一に備えて、元本を減らすことなく備えておくべきものです。すぐに使う可能性が高いため、基本的に元本が保証されて引き出しやすい普通預金などで準備しておくとよいでしょう。投資は常に値動きするもので元本が保証されないため、値下がりしてしまった場合、必要なお金が準備できなくなるリスクがあります。そのため、直近の生活に必要なお金を投資にまわすのはおすすめできません。

近い将来使う予定のあるお金

「近い将来使う予定のあるお金」とは、数年以内に使い道が決まっているお金のことです。例えば、住宅購入のための頭金、子どもの進学費用などが考えられます。

このようなお金は生活費と切り分けて、定期預金などで準備しておくとよいでしょう。普通預金と分けておくことでお金を管理しやすくなりますし、解約手続きが必要なのでついつい予定外のことに使ってしまうといった心配も普通預金より少なくなるはずです。

数年以内に使い道が決まっているお金を投資にまわしてしまうと、直近の生活に必要なお金同様、値下がりしてしまった場合に必要なお金が足りなくなる可能性があるので注意が必要です。

しばらく使う予定のないお金(余裕資金)

投資は「余裕資金」でおこなうのが基本です。余裕資金とは、手持ちの資金から「直近の生活に必要なお金」と「近い将来使う予定のあるお金」を差し引いて残ったお金のこと。つまり「しばらく使う予定のないお金」です。

しばらく使う予定のないお金(余裕資金)=
手持ちの資金 - 直近の生活に必要なお金 - 近い将来使う予定のあるお金

 

このようなお金は10年、20年といった長期的な資産運用が可能なため、投資にまわしてじっくり増やしていくのが適しています。投資は常に値動きするものなので元本は保証されませんが、長く運用することで資産が増やしやすくなり、値下がりのリスクも減らせます。

貯金の何割を投資にまわすべきかは人による!最適な投資額の決め方は?

投資にまわす最適な金額はどのように決めればよいのでしょうか?先述のとおり「しばらく使う予定のないお金(余裕資金)」で投資をおこなうのが基本なので、この金額が「投資にまわせるお金の“上限額“」と言えます。

投資を始める際、ある程度貯蓄がある方は「貯金の何割を投資にまわしたらよいか」といった点を気にされるかもしれませんが、「○割を投資にまわすべき」という明確な答えはありません。収入や支出、投資と貯金のバランス、ライフプランなどをふまえて、前述の”上限額”を目安に、無理のない範囲で投資にまわす金額を決めるとよいでしょう。

まずは先ほど紹介した「しばらく使う予定のないお金(余裕資金)」の計算式を用いて、投資にまわせるお金を計算してみましょう。

【前提条件】
・手持ちの資金:預貯金300万円
・直近の生活に必要なお金:90万円(生活費30万円×3か月分)
・近い将来使う予定のあるお金:100万円(自動車ローンの頭金など)

【投資にまわせるお金の求め方】
投資にまわせるお金
=しばらく使う予定のないお金(余裕資金)
=手持ちの資金 - 直近の生活に必要なお金 - 近い将来使う予定のあるお金
=300万円 - 90万円 - 100万円
=110万円

上記のケースでは、預貯金300万円のうち、投資にまわせるお金は110万円という結果となりました。ただし同じ預貯金額があっても、直近の生活に必要なお金や、近い将来使う予定のあるお金の金額によって投資にまわせる金額は変わってきます。災害などの不測の事態にどの程度備えるかによっても結果は異なるでしょう。すでにある程度預貯金がある方は、どの程度投資にまわせそうか、ご自身の状況に当てはめて計算してみましょう。

目的を明確にしたうえで投資にまわす金額を決める

投資にまわす金額を決める際、しばらく使う予定のないお金(余裕資金)のすべてを投資にまわすのではなく、目的を明確にしたうえで投資額を決めることが大切です。例えば数年後の自動車購入のために頭金を100万円準備したいのであれば、その金額を目標に毎月の投資額(積立金額)を決めると効果的です。将来の目標金額に応じた積立金額を知りたい方は、金融庁や金融機関などのウェブサイトで公開されている資産運用シミュレーターを活用してみましょう。

参考:金融庁「資産運用シミュレーション

一方で、資産を目減りさせず確実に準備したいお金は預金など元本保証のある商品で資産運用するのが適しています。場合によっては、貯蓄性のある保険商品で運用するという方法も一案です。例えば、自分に万が一のことがあった際に最低限家族に残したいお金などが考えられます。

投資はあくまで資産運用をおこなううえでの1つの手段です。投資が目的になってしまうのは本末転倒なので、目的に応じて資産運用の方法を使い分けることをおすすめします。

 

資産運用は早く始めることが大切!少額からでもOK

資産運用、特に投資は早く始めることで効率よく資産を増やせる可能性があります。投資には長い期間続けるほど資産が増えやすくなる「複利の効果」があるためです。複利の効果とは、投資で得た利益を再び投資にまわすことで、利益が利益を生み、資産が膨らんでいく効果のことです。

また定期的に一定額を積み立てる「積立投資」もリスクを軽減する効果があります。積立投資では、価格が高いときには少なく、低いときには多く購入するため、購入価格を平均化でき、大きく損をするリスクを減らせるのです。

「直近の生活に必要なお金」や「近い将来使う予定のあるお金」を準備している段階の方や、いきなり大きな金額で投資を始めるのが怖い、という方は少額での積立投資で早めに投資の感覚を身につけることをおすすめします。本格的に投資を始められる段階になったときに、投資の感覚が身についていればよりスムーズに運用できるはずです。

まずは少額から投資を始めたい方は、投資アプリ「トラノコ」がおすすめです。毎月の積立金額を自由に決められるので、無理のない金額で投資を始められます。日々のお買い物のおつりやポイント・マイルなども投資にまわせるので、長期的に楽しみながら資産運用したい方にも向いています。

トラノコ|長期分散投資アプリ

まとめ

資産運用のコツは、「貯蓄」と「投資」をお金の種類や目的に応じて使い分けることです。直近の生活費や近々使う予定のあるお金、将来確実に残したいお金は「貯蓄」、余裕資金のうち長期的に効率よく増やしたいお金は「投資」で運用するのが基本です。

貯蓄と投資の最適な割合は家計の収支やライフプランによって異なるので、「貯金の○割を投資にまわすべき」という決まった答えはありません。まずは手持ちの資金の色分けをしたうえで、今回紹介した方法で投資にまわす金額を考えてみましょう。

 

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