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為替とは何か。これから投資を始める人向けの基本知識を解説

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外貨預金やFXへの取り組みを検討しているなら、為替について理解を深める必要があります。意味や仕組みを把握しておけば、損失を回避し利益を出しやすくなるでしょう。為替の基礎知識や外国為替の仕組みについて解説します。

そもそも為替とは何か

為替とはどのようなことを指す言葉なのでしょうか。為替の種類や為替レートなど、まずは為替の基本を理解しておきましょう。

現金を使わずに支払うこと

『為替(かわせ)』の本来の意味は、現金をやり取りせずに支払いを行うことです。キャッシュレス決済や銀行振込は現金の移動がないため、為替の一種となります。

江戸時代に両替商が発行していた『為替手形』が、為替の起源とされています。遠距離地点間の取引において現金を移送すると盗賊に襲われる恐れがあったため、為替手形でやり取りしていたのです。

異国間で支払いが行われる際も、一般的に現金のやり取りは行われません。どちらの通貨で決済するかを決めた上で、為替による取引が行われることになります。

為替の種類

為替には『内国為替』と『外国為替』の2種類があります。国内で現金をやり取りせずに資金の受け渡しを行うのが内国為替、通貨の交換を伴う異国間の為替取引が外国為替です。

国内で現金を使わずに商品やサービスを購入したり、国内の金融機関で振込や振替を行ったりする営みは、全て内国為替となります。銀行の為替業務は、預金・貸出業務と並ぶ三大業務の一つです。

通貨の交換が必要な外国為替では、『外国為替市場』で異なる通貨の売買が行われます。外国為替市場は決まった場所が存在せず、24時間取引が可能です。東京・ニューヨーク・ロンドンは、世界三大外国為替市場と呼ばれています。

為替レートとは

外国為替市場で異なる通貨を交換する際の比率が『為替レート(為替相場)』です。変動相場制においては、為替レートはモノやサービスの価格が決まるのと同様、市場における需要と供給の関係で決定されます。

為替レートは、『136.25-27(ドル/円)』のように表すのが基本です。買い手が提示するレートを『ビッドレート』、売り手が提示するレートを『オファードレート』といいます。

上記の為替レートの136.25がビッドレート、136.27がオファードレートです。1ドル=136円25銭なら買うという意思を示しています。

為替が変動するとどんな影響がある?

為替レートは市場の需給関係により変動し、円高ドル安や円安ドル高などの状態になります。円高や円安になった場合の影響を理解しておきましょう。

円高の場合

『円高』とは円の価値が高まることです。1ドル=140円から1ドル=120円に変動した場合、円でドルをより安く買えるようになるため、円の価値は上がったことになります。

海外製品が安く買えるようになる円高は、輸入業者にとっては有利な状況です。輸入品が安くなったり、お得な価格で海外旅行に行けるようになったりする可能性があります。

一方、輸出業者が海外で得た外貨は、円高になると円に換金する際に目減りしてしまいます。自動車や機械製品を輸出している企業は、売上高が減りやすくなるでしょう。

円安の場合

『円安』は円高とは真逆の状況を指します。外貨を買う際、円高のときより余計に円を支払わなければなりません。

輸出業者にとっては有利な状況になりますが、輸入業者は損をしやすくなります。生活面においては、輸入品や海外旅行が値上がりすることになるでしょう。
ただし、円安になると外貨1単位あたりの円貨額が高まるため、外貨を持っている場合は円に換金することで利益を得られます。為替レートの変動により増えるお金が『為替差益』、減るお金が『為替差損』です。

外国為替の動きに影響を受ける金融商品

為替について理解を深められれば、外国の金融商品に対する投資も検討しやすくなるでしょう。外国為替を活用したり、為替の動きに影響を受ける代表的な金融商品を紹介します。

外貨預金

外貨預金とは、ドルやユーロなど外国の通貨で預金することです。預金した国の金利が適用されるため、金利による利益を得られるメリットがあります。

日本の銀行にお金を預けても、超低金利が長らく続く昨今では、ほとんど利息を得られません。一方、海外には日本の数百~数千倍もの金利で運用できる国も多く、日本では考えられないほどの利息を得られる可能性があります。

為替変動による利益を狙える点も魅力です。円高時に外貨に換金して外貨預金を行い、円安になったときに円で引き出せば、為替差益を得られます。しかし、預金をした時より円高になってしまうと、円に換金した際に金利で得られた利益より為替差損の方が大きくなるリスクもあります。

外貨建てMMF

外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、外貨で運用される投資信託です。格付けの高い短期証券や債券などで運用されるため、比較的に安全性が高いことが魅力です。

一般的に、外貨預金に比べて為替手数料が安いことも魅力です。しかし、投資信託なので元本の保証はなく、保有期間中信託報酬がかかります。

外貨預金同様、為替変動による為替差益を狙える分、もちろん為替リスクがあることをさすれずにおくことが大事です。

外国株式

海外の企業が発行する株式が外国株式です。日本企業の株式投資と同様に、売買や配当による利益の獲得を狙えます。

海外にはグローバルに事業展開している企業が多く、成長を見極められれば大きな利益が期待できます。一方、発行元の国の政治・経済状況が悪化した場合、投資した資産価値が大幅に下がりかねません。

円高になった場合は売却時の株価自体は上がっていても、円に戻した時に為替差損を被る場合がある点にも注意が必要です。

FX

FX(外国為替証拠金取引)とは、為替取引を証拠金で行う取引のことです。証拠金として支払う金額の最大25倍ものお金を動かして取引できます。

外貨預金で100万円を運用しようとする場合は、円で100万円を用意しなければなりません。しかし、FXなら100万円÷25=4万円の資金があれば、100万円分の為替取引を行えます。

ほかの外貨投資より低コストで取り組める点や、24時間取引が可能な点も、FXの魅力です。ただし、大きな利益を狙える分、損失も大きくなりやすい点には注意しなければなりません。

外国の株式や債券などに投資を行う投資信託

トラノコ・ファンドのように外国株式や外国債券などの海外資産に分散投資を行う投資信託は、外国為替に影響を受ける金融商品です。海外の有価証券に投資する投資信託を運用するファンドマネジャーは、為替の動向も注視して運用を行っています。

外国資産に投資するファンドは、為替相場の影響を受けずに投資資産の収益だけを享受する「為替ヘッジあり」と為替相場の影響が基準価格に影響する「為替ヘッジなし」のもの、部分的に為替ヘッジを行う運用方針のものがあります。為替ヘッジを行うにはヘッジコストがかかるため、どこまで為替ヘッジを行うかに関する方針は、目論見書等のファンドの特色に明記されています。

外国資産に投資している投資信託の基準価格は、円で表示されていても、その算出には、決められた時間の為替レートが適用されており、為替を完全にヘッジしていない限り円高になった影響で基準価格が低下するリスクがあるとともに、円安により基準価格が上昇することもあります。日々、自ら為替の動向を気にしながら投資をする時間がないものの、海外の経済成長からの収益の享受を目指すには、手軽に海外資産に投資できる投資信託はおすすめです。

まとめ

為替とは現金を使わずに決済を行うことです。異国間で為替取引を行う場合は、通貨の交換を伴います。異なる通貨の交換比率が為替レートです。

外国為替を利用した主な投資手法には、外貨預金・外貨建てMMF・外国株式・FXなどがあげられます。

為替は世界の政治経済の動向次第で大きく動くことがあります。為替の仕組みをしっかりと理解し、為替リスクを勘案して投資を行うようにしましょう。

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