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配当金や分配金を受け取ったら確定申告は必要? 証券口座の種類や課税方法について解説

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株式や投資信託などの金融商品を保有している場合、配当金や分配金が受け取れる場合があります。本記事では、「配当金や分配金を受け取った際に確定申告が必要か」という、よくある疑問にわかりやすく回答します。証券口座の種類によって課税方法や税務上の扱いが違ってくるので、すでに投資を始めている方だけでなく、これから投資を始めようと考えている方も参考にしてみてください。

 

配当金・分配金を受け取っても「原則」確定申告は不要

配当金・分配金は「インカムゲイン」の一種

株式や投資信託などの金融商品に投資する場合、得られる利益は2種類あります。一つは「キャピタルゲイン」で、保有している金融商品を売却することで得られる売買差益のことです。もう一つは「インカムゲイン」で、金融商品の保有期間中に受け取れる収入です。

配当金・分配金は「インカムゲイン」に当たり、株式と投資信託の保有期間中に受け取れます。配当金とは、株式の保有者(株主)に対して企業の利益の一部が支払われるものです。分配金は、投資信託の保有者に対して支払われます。

配当金・分配金※には原則として税金がかかりますが、次で解説するように証券口座の種類によって課税方法が異なります。

※ただし、元本払戻金(特別分配金)は利益ではなく「投資した元本の一部払戻し」に当たるため非課税

証券口座の種類によって課税方法が異なる

株式や投資信託の取引ができる証券会社の口座(以降、証券口座)には次の4つの種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

● 証券口座の種類
・特定口座(源泉徴収あり):利益に対してかかる税金が自動的に引かれるため、確定申告は不要
・特定口座(源泉徴収なし):確定申告が必要だが、証券会社が年間取引報告書を発行してくれるため損益計算の手間が省ける
・一般口座:自身で損益を計算し、確定申告する必要がある
・NISA口座:非課税口座

このうち、特定口座(源泉徴収あり)またはNISA口座で受け取った配当金や分配金であれば、原則として確定申告は不要です。

特定口座(源泉徴収あり)では、配当金・分配金の受取時に20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がすでに差し引かれているため、確定申告によって税金を納める必要はありません。

NISA口座は、NISA(少額投資非課税制度)に対応した証券口座です。この口座では、そもそも投資の利益に対して税金がかかりません。NISA口座で受け取った配当金・分配金も非課税となるため、所得税を計算・納税する手続きである確定申告は不要です。

特定口座と一般口座、NISAについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。

【関連記事】
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2024年から新NISAがスタート!旧NISAとの違いをわかりやすく解説

 

特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告した方がよいケース

特定口座(源泉徴収あり)で配当金や分配金を受け取った場合、原則として確定申告は不要とお伝えしました。ただし、複数の証券口座を持っている場合、確定申告をして損益通算することで源泉徴収された税金の一部が戻ってくることがあります。損益通算とは、その年の利益(売却益や配当等)と損失(売却損)を相殺する手続きのことです。

例えば、A証券の特定口座(源泉徴収あり)で2万円の配当金を受け取り、B証券の特定口座(源泉徴収あり)で投資信託を売却した際に1万円の損失が出たというケースが考えられます。この場合、確定申告をしないままだと2万円の配当金に対して税金がかかりますが、損益通算することで課税対象は1万円(配当金2万円-売却損1万円)になるため、確定申告することで差額の税金が戻ってきます。

また、損益通算の結果マイナスが発生した場合は、確定申告によって「繰越控除」を受けることも可能です。繰越控除とは、株式や投資信託の売却で発生した損失を最長3年間繰越して、翌年以降の投資の利益(売却益や配当等)から差し引ける制度です。

このようなケースに該当する場合は、確定申告による手続きを検討しましょう。

ただし、NISA口座で受け取った配当金・分配金や、投資信託の元本払戻金(特別分配金)はそもそも非課税なので、上記のケースでも確定申告は不要です。

 

投資アプリ「トラノコ」で得た利益は確定申告不要

「投資を始めたいけど、確定申告の手間は省きたい」という方は、投資アプリ「トラノコ」を利用するのもおすすめです。トラノコは、自分で決めた金額を毎月コツコツ積み立てられるサービスです。ご自身のリスク許容度に応じて3つの投資信託(ファンド)から選ぶだけなので、初心者にも利用しやすいでしょう。

トラノコにはNISAに対応している「トラノコNISA」と、通常の「トラノコ」の2つがあります。トラノコNISAは利益に対して税金がかからないので、確定申告は不要です。通常のトラノコは利益に対して税金がかかりますが、前述した「特定口座(源泉徴収あり)」なので、お客様に代わってトラノコが税金申告・納税等の手続きを行います。お客様側での確定申告は必要ありません。

どちらを選んでも確定申告の手間がかからないので、手軽に投資を始めたい方はぜひ検討してみてください。

【参考】
トラノコ
FAQ:確定申告などは必要ですか
FAQ:トラノコで得た利益に税金はかかりますか

 

まとめ

配当金や分配金の課税方法は証券口座の種類によって異なります。すでに投資を始めていて、配当金や分配金を受け取った方は、開設している証券口座の種類をチェックしたうえで確定申告が必要かどうか判断しましょう。

これから投資を始める方で「投資に興味はあるけど、確定申告は面倒だな」と考えている方は、特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座を開設して取引すると手間が省けます。それぞれの証券口座の特徴を理解したうえで、ご自身に合ったタイプの口座を開設しましょう。

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