雪だるまを作ろう
公開日: 最終更新日:お金に関する“雪だるま式に”という形容句は、とかく借金について使われることが多いかもしれませんが、コツコツ続ける投資においても同じことが言えます。子供の頃、雪だるまを作った時ことを思い出してみてください。初めに手で小さな雪玉を作り、それを雪の上で転がしていくと、みるみる大きくなっていったことを記憶されているのではないでしょうか。雪だるまが簡単に大きくなるのは、表面に雪が付着していくことにより、表面積が広くなり、表面積が広くなったことで付着する雪の量が増えるからです。その現象になぞらえて、“雪だるま式”はお金に関しては、いわゆる「複利」の効果の大きさについての表現として使われています。
1万円を年金利1%と5%の2つのパターンで運用できたとすると、それぞれ1年後には10,100円と10,500円とその差は400円ですが、10年後には、1%の方は11,046円になるのに対して、5%の方は16,288円と、その差は5,242円と、400円の10倍である4,000円よりも31%も大きく利益が出ます。
では、仮に毎月1万円ずつコツコツ追加投資をしながら、それぞれ1%と5%で運用できたとすると、10年後にはどうなるでしょう。累計120万円の投資が、1%の方は約126万円、5%の方では約154万円と、大きな差となります。そして、それをさらに20年続け、合計30年同じ利率で毎月コツコツ投資を続けられたとすると、1%の方は、約419万円、5%の方は約818万円となり、累計360万円の投資から得られる利益の差は、なんと投資元本よりだいぶ多い399万円にもなります。
いずれも複利の効果、すなわち、金利が上乗せされた金額に翌年さらに金利がかかることで、“雪だるま式”に膨らむことになります。老後必要になる資産の額について考えさせられる今日。実際に必要となる額は一人ひとりの状況によって違うにせよ、将来に向けて、無理のない範囲でコツコツ「投資の雪だるま」を作っていきたいものです。