自動車保険の見直しのタイミングは?確認しておきたいポイントと注意点を解説
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自動車保険は、ライフスタイルによって必要な補償が変わってきます。事故やケガなどのリスクに備えながら無駄な保険料を払わないためには、補償内容を定期的に見直すことが重要です。
この記事では、自動車保険の見直しのタイミングと確認しておきたいポイント、注意点を解説します。
自動車保険とは
自動車保険とは、車を運転中の交通事故やトラブルによって発生した損害を補償する保険です。すべての車が加入しなくてはならない「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」と、民間保険会社が独自に取り扱う「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険で保険金が支払われるのは、交通事故で他人を負傷させたり、死亡させたりしたときに限られます。保険金の限度額は死亡3,000万円、ケガ120万円、後遺障害75~4,000万円です。
そのため、車を運転するなら任意保険への加入は必須といえます。
ここからは、任意保険を前提に自動車保険の見直しについて説明していきます。
ダイレクト型と代理店型の違い
自動車保険は、インターネットなどを通じて保険会社と直接契約する「ダイレクト型」と、保険代理店経由で加入する「代理店型」に分類できます。両者のメリット・デメリットは以下の通りです。
ダイレクト型 | 代理店型 | |
メリット | ・代理店型より保険料が安い傾向にある
・PCやスマホからいつでも見積りや契約申込み、継続手続きが可能 |
・担当者と相談しながら保障内容を決められる
・事故・トラブル発生時に担当者が現場へかけつけてくれる場合がある |
デメリット | ・商品選びや契約手続きを自分で行う必要がある
・対面でアドバイスやサポートを受けるのは難しい |
・ダイレクト型よりも保険料が高い傾向にある |
ダイレクト型は保険会社が代理店に支払う手数料や代理店の維持コスト(人件費、賃料)などが不要であるため、その分保険料が安い傾向にあります。
自動車保険の見直しを検討するタイミング
ここでは、自動車保険の見直しを検討するタイミングを6つ紹介します。
更新案内が届いたとき
基本的に自動車保険は1年契約で、満期日の数ヵ月前に契約更新の案内が届きます。更新案内には現在の補償内容や更新後の保険料などが記載されています。補償が不足している場合は追加を検討しましょう。また、不要な補償を外すことで、更新後の保険料が安くなる可能性があります。
更新案内が届いたタイミングで他社から見積もりをとり、別の保険に乗り換えるのも選択肢です。
家族構成が変わったとき
結婚や子どもの独立などで家族構成が変わると、加入中の自動車保険における「運転者の範囲」「年齢条件」に影響が出ることがあります(詳細は後述)。万が一家族の誰かが運転中に事故やトラブルを起こした場合、十分な補償を受けられるかを確認しましょう。
車の使用目的が変わったとき
自動車保険では、車の使用目的を「業務使用」「通勤・通学使用」「日常・レジャー使用」の3つに区分しています。保険料は業務使用が最も高く、通勤・通学使用、日常・レジャー使用の順に安くなるのが一般的です。
「これまでは車で通勤していたが、転職して電車通勤になった」など、使用目的が変わったときは保険会社に連絡して変更手続きを行いましょう。
車を買い替えるとき
自動車保険は、車の型式によって保険料が変わる仕組みになっています。そのため、車を買い替える際は契約車両の変更手続き(車両入替)が必要です。
変更手続きを行わずに新しい車を運転し、事故やトラブルを起こすと補償されない場合があります。契約車両が自動的に切り替わることはありません。車の買い替えが決まったら、新しい車が納車される前に契約車両の変更手続きを行いましょう。
保険料が高いと感じたとき
「保険料が高い」と感じたときも、自動車保険を見直すタイミングの一つです。補償内容を変更したり、不要な補償・特約を外したりすることで保険料を抑えることができます。また、加入中の自動車保険より保険料が安い他社の商品に乗り換える方法もあります。
自動車保険の見直しのポイント
自動車保険を見直すときは、以下のポイントを確認するとよいでしょう。
運転者の範囲・年齢条件は適切か
自動車保険には、車を運転する人を限定することで保険料が割引になる仕組みがあります。基本的には、「限定なし」「家族限定」「本人・配偶者限定」「本人限定」の順に保険料は安くなります。
また、運転者の年齢条件によっても保険料は変わります。年齢条件については、「限定なし」「21歳以上」「26歳以上」「35歳以上」の順に保険料が安くなるのが一般的です(年齢区分は保険会社によって異なる)。
特に家族構成が変わったり、年齢が上がったりしたときは、運転者の範囲や年齢条件が適切かを確認しましょう。
年間走行距離に変化はないか
保険会社によっては、年間走行距離に応じて保険料が決まります。その場合、年間走行距離が長いほど保険料は高くなります。
車の使い方が変わって年間走行距離が長くなったり、短くなったりした場合は保険会社に連絡しましょう。年間予定走行距離を故意に短く申告すると、補償の対象外となる可能性があるので注意が必要です。
搭乗者傷害保険は必要か
契約車両に乗っている人(運転者を含む)が死亡・ケガをしたときの補償として、「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」があります。どちらも補償対象は同じですが、次のような違いがあります。
- 人身障害保険:実際の損害額を補償する
人身傷害保険に入っていれば、最低限の補償は確保できます。「損害分の補償を受けることができれば問題ない」「少しでも保険料を安くしたい」と考えるなら、搭乗者傷害保険に加入しないのも選択肢です。
車両保険は必要か
車両保険は、契約車両が事故や自然災害などで損害が生じたときに保険金が支払われます。通常は、補償範囲が広い「一般型」と、補償範囲が限定される「エコノミー型」の2種類があります。
保険料を抑えたい場合は、エコノミー型を検討しましょう。また、年数が経過して車両の価値が低下している場合、預貯金で修理費をカバーできる場合は「車両保険に入らない」という考え方もあります。
重複している特約はないか
自動車保険は、対人賠償や対物賠償などの基本補償のほかに様々な特約を付けられます。特約を付けるほど補償は充実しますが、その分保険料は高くなります。他の保険と重複している特約、不要な特約があれば、解約を検討しましょう。
例えば、「火災保険と個人賠償責任特約が重複している」「原動機付自転車に乗らなくなったのにファミリーバイク特約が付いたままになっている」といったケースが考えられます。
ダイレクト型と代理店型はどちらがよいか
代理店型の自動車保険は担当者と対面で相談できるため、安心感があるかもしれません。ただし、ダイレクト型に比べると保険料は高い傾向にあります。また、ダイレクト型でもコールセンターなどで補償内容について相談できます。
「保険料を安くしたい」「必要なときだけ相談したい」といった希望がある場合はダイレクト型、担当者と対面で相談しながら契約したい場合は代理店型を選ぶとよいでしょう。
自動車保険の見直しの際の注意点
自動車保険の見直しで後悔することがないように、次の点に注意しましょう。
解約返戻金を確認する
年払いで保険料を払っていた自動車保険を満期日前に解約する場合、残りの保険期間に相当する分の保険料が解約返戻金として返還されます。
ただし、残りの保険料がすべて戻ってくるわけではありません。通常は、月割りで計算した金額よりも少なくなります。
解約返戻金の計算方法は保険会社によって異なるため、いくら戻ってくるかを確認してから解約手続きを行いましょう。
等級の引き継ぎに注意する
自動車保険には等級制度(1~20等級)があり、等級が上がるほど保険料は安くなります。1年間無事故だった場合は、翌年の等級が1つ上がる仕組みです。
保険会社を変更する場合、等級の引き継ぎは可能です。ただし、満期日前に保険を乗り換えると、新しい保険は現在の等級でスタートします。次に等級が上がるのは、新しい保険で満期を迎えたときになるため、等級が上がるタイミングが遅れてしまいます。
自動車保険を乗り換える場合は、すぐに乗り換えるのがよいか、満期日まで待つほうがよいかを見極める必要があるでしょう。
補償の空白期間が発生しないようにする
自動車保険を乗り換える場合は、補償の空白期間が発生しないように注意しましょう。加入中の保険の解約日と、新しい保険の補償開始日を合わせることが大切です。
なお、自動車保険の解約日(満期日)の翌日から7日以内に新しい保険へ乗り換えないと、等級を引き継ぐことはできません。
まとめ
1年ごとの更新時期を迎えたときはもちろん、ライフスタイルが変わったときも自動車保険の見直しを行う絶好のタイミングです。自動車保険を見直せば、適切な補償を確保できることに加えて、保険料が安くなる可能性があります。
自分だけで自動車保険を見直すのが難しい場合は、保険の専門家に相談することを検討しましょう。