知らない人は損をする!申請するとお金がもらえるお得な支援制度を紹介
公開日:国や自治体は、病気や失業、子育てなどで経済的に苦しい人を支援する制度を用意しています。支援を受けるには自分で申請する必要があるため、制度があることを知らずに利用していない人もいるでしょう。この記事では、国や自治体に申請するとお金がもらえる支援制度をカテゴリ別に紹介します。
※実際に申請する場合は、各制度の支給要件に当てはまるかをよくご確認ください。各制度の要件次第では利用できないケースもあります。
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健康・医療に関する支援制度
病気やケガでまとまった医療費がかかったり、働けなくなったりしたときは、以下の制度を利用できる可能性があります。
傷病手当金
病気やケガで会社を3日以上連続で休んだ場合、4日目以降から傷病手当金が支給されます。業務外の事由による病気やケガであること、休業期間中に給与の支払いがないことなどが条件です。
<傷病手当金の額>
1日当たりの支給額=標準報酬月額÷30日×2/3
支給期間は、支給日から通算1年6ヵ月となります。詳しくは、人事や総務など勤務先の担当部署にご確認ください。
なお、国民健康保険に加入している自営業者などは、傷病手当金の支給対象外となります。
高額療養費制度
1ヵ月の医療費が一定額を超えた場合、高額療養費制度によってその超えた分が後から払い戻されます。自己負担限度額は年齢や収入によって異なります。
<例:69歳以下、年収約370~770万円の場合>
事前に高額な医療費が見込まれるときは、マイナ保険証や限度額適用認定証を提示することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにすることが可能です。
手続きのやり方がわからない場合は、勤務先の担当部署や自治体の国民健康保険の窓口に相談しましょう。
障害年金
障害年金とは、病気やケガなどで生活や仕事が制限される場合に支給される年金です。「障害基礎年金(国民年金)」と「障害厚生年金(厚生年金)」の2種類があり、支給要件や年金額などはそれぞれ異なります。
障害基礎年金の年金額(令和6年4月分から)は、障害等級1級は102万円、2級は81.6万円です(いずれも子の加算額あり)。障害厚生年金は、標準報酬月額や加入月数、配偶者の有無などに応じて変動します。
注意点は、原則として初診日から1年6ヵ月経過しないと請求できないことです。また、国民年金保険料の未納期間があると障害年金を受給できない可能性があります。
障害年金について詳しく知りたい場合は、地域の年金事務所や自治体の窓口などにご相談ください。
参考:日本年金機構「障害年金」
求職・キャリアに関する支援制度
失業して次の仕事を探すとき、キャリアアップのために研修・講座などを受けるときは、次のような支援制度を利用できます。
失業給付
雇用保険被保険者が離職した場合、再就職までの間に失業給付(基本手当)が支給されます。
基本手当を受けられる日数は、被保険者期間や離職理由などに応じて90~360日です。1日当たりの支給額は、離職直前6ヵ月の賃金日額(賞与等を除く)の50~80%が目安となります。
基本手当を受けるには、離職票などの必要書類を準備して最寄りのハローワークで手続きを行います。自己都合による退職の場合は3ヵ月間の給付制限があり、支給までに時間がかかる点に注意が必要です。
参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」
再就職手当
再就職手当とは、上記の基本手当の支給日数を3分の1以上残して再就職した場合にもらえる給付金です。
<再就職手当の額>
- 3分の2以上残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の70%の額
- 3分の1以上残して再就職した場合:基本手当の支給残日数の60%の額
給付制限中に再就職した場合も、一定の要件を満たせば再就職手当が支給されます。
教育訓練給付金
厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了すると、受講費用の一部が教育訓練給付金として支給されます。労働者の主体的なスキルアップを支援することが目的です。「雇用保険の加入期間が1年以上ある」などの要件を満たす人が利用できます。
教育訓練は、レベルに応じて「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3種類があり、それぞれ給付率が異なります。
一般教育訓練の場合、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。TOEICや簿記検定など、幅広い資格の講座が対象です。
資格取得を検討する際は、教育訓練給付制度の対象講座であることを確認するといいでしょう。
子育て・介護に関する支援制度
国は少子高齢化や介護離職への対策として、次のような支援制度を用意しています。うまく活用すれば、出産や子育て、介護における経済的な負担の軽減が期待できるでしょう。
出産育児一時金
出産育児一時金とは、健康保険や国民健康保険などの被保険者やその扶養者が出産したときに、出産費用の負担を軽減するために支給されるものです。
支給額は、1児につき原則50万円です。妊娠週数が22週未満での出産、産科医療補償制度に未加入の医療機関での出産は48.8万円となります。
医療機関へ申し出ることで、出産育児一時金を出産費用に充当できる「直接支払制度」の利用が可能です。その場合、出産費用としてまとまったお金を用意せずに済みます。
参考:厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」
出産手当金
出産のために会社を休み、その間に給与を受け取らない場合は、健康保険から出産手当金が支給されます。出産日以前42日、出産日の翌日以後56日が支給対象です。
<出産手当金の額>
1日当たりの支給額=標準報酬月額÷30日×2/3
出産で会社を休む予定がある場合は、勤務先の担当部署に確認しておきましょう。なお、国民健康保険は出産手当金の対象外です。
育児休業給付金
雇用保険被保険者が原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する場合、一定の要件を満たすと育児休業給付金が支給されます。母親だけでなく、父親も受給可能です。
<育児休業給付金の額>
育児休業の取得を検討しているなら、担当業務に支障が出ることがないように、早めに上司や担当部署に相談しましょう。
児童手当
中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している場合は、児童手当が支給されます。
<児童手当の支給額>
児童の年齢 | 1人当たりの支給月額 |
3歳未満 | 一律1.5万円 |
3歳以上 小学校修了前 | 1万円(第3子以降は1.5万円) |
中学生 | 一律1万円 |
子どもが生まれたり、他の自治体から転入したりしたときは、現住所のある自治体に「認定請求書」の提出が必要です。
高等学校等就学支援金
高等学校等就学支援金とは、国公立・私立を問わず、高等学校の授業料に充てるために支給される支援金です。教育にかかる経済的な負担を軽減し、高校生に学びの機会を提供することを目的としています。
高等学校等就学支援金には所得制限が設けられています。国公立は世帯年収約910万円未満、私立高校は約590万円未満が目安です(基準は家族構成によって異なる)。支給上限額は国公立が年11万8,800円、私立が年39万6,000円となっています。
入学時などに学校から案内があるため、確認のうえ手続きを行いましょう。
介護休業給付金
介護休業給付金とは、雇用保険被保険者が介護で仕事を休んだときに支給される給付金です。支給対象となる同じ家族について、93日を限度に支給されます。支給額は、原則として「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」です。
介護休業を取得する場合は、介護休業給付金が支給されるかを勤務先の担当部署に確認するといいでしょう。
住宅取得に関する支援制度
住宅の取得についても、次のような支援制度が用意されています。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームの新築・取得、リフォームをした場合に、ローン年末残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。住宅の種類や床面積などの要件を満たす住宅が対象となります。
厳密にはお金がもらえるわけではありませんが、税負担の軽減が期待できるため、お得な制度といえるでしょう。
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は勤務先で年末調整を受けられます。住宅を取得する際に、住宅ローン控除の要件を満たしているかを不動産会社などに確認しましょう。
自治体独自の支援制度にも注目しよう
ここまでは主に国の支援制度を紹介してきましたが、自治体によっては独自に次のような支援制度を実施していることがあります。
- リフォーム補助金
- 人間ドッグの助成金
- 学習塾の補助金
バリアフリー化などのリフォームに補助金を支給したり、人間ドッグの受検費用の一部を助成したりしている自治体は少なくありません。また、大阪市では、市内在住の小学5年生~中学生の習い事費用を助成する事業を行っています。
住所地のある自治体のホームページなどで、独自の支援制度がないかチェックしてみましょう。
まとめ
病気や求職、子育てなど、国や自治体は様々な分野で支援制度を用意しています。自治体によっては、独自に補助金や助成金を支給している場合もあります。経済的な負担を軽減するためにも、各種支援制度を利用できる場合は忘れずに申請を行いましょう。