複利運用は利益が利益を生む運用方法。具体的な方法をチェック
公開日: 最終更新日:※この記事は2023年6月14日時点の内容となります。最新のNISAに関してはこちらの記事をご参照ください。
投資をする際の運用方法の一つに、複利運用があります。どのような特徴がある運用方法なのでしょうか?基礎知識に加え、どのくらい資産が増えるのか知るためのシミュレーションもチェックしましょう。また複利運用に取り組むための方法も紹介します。
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複利運用の基礎知識
複利運用は利益が利益を生む仕組みです。『人類最大の発明』とアインシュタインが言ったことでも知られている複利について、その仕組みの基本と、単利との違いを確認しましょう。
複利運用は利益が利益を生む仕組み
元本を運用した結果、利息を受け取ったとします。この受け取った利息を最初の元本に加えて再び投資するのが、複利運用です。
受け取った利息を元本にプラスすることで、運用する資金が増えます。受け取った利息にもさらに利息が付くことになるため、資産の増え方が加速する運用方法です。
複利運用によって加速する資金の増え方は、投資期間が長くなるほど大きくなります。
複利運用と単利運用を比較
受け取った利息を元本にプラスし再投資する複利運用に対し、利息を加えずに運用する方法もあります。運用する元本がずっと一定の『単利運用』です。
元本が変わらないため、基本的に受け取れる利息もずっと変わりません。例えば100万円を年3%の金利で運用した場合、以下のように何年後でも元本は100万円のため、利息の金額は3万円と一定です。
複利運用をシミュレーション
複利運用をした場合、元本はどのくらい増えるのでしょうか?100万円で運用したケースの増え方をシミュレーションしてみましょう。また資産が2倍になるまでに何年かかるのかを計算できる『72の法則』も紹介します。
100万円を複利運用するといくらになる?
複利運用した結果、何年後にいくらになるか計算するには『n年後のお金=元本×(1+金利)^n』を用います(「^n」はn乗の意味)。この計算式を用い、100万円を金利5%で運用した場合の、各年の金額を計算すると以下の通りです(小数点以下を四捨五入、手数料など含まず)。
- 1年後:100万円×(1+0.05)^1=105万円
- 2年後:100万円×(1+0.05)^2=110万2,500円
- 3年後:100万円×(1+0.05)^3=115万7,625円
- 4年後:100万円×(1+0.05)^4=121万5,506円
- 5年後:100万円×(1+0.05)^5=127万6,281円
1年後の利息は5万円ですが、2年後には5万2,500円に増えています。その後も利息の増え幅は拡大していき、資産の増加する速度が速まる計算です。年々利息の増え幅が大きくなる計算です。
72の法則でいつ資産が2倍になるか確認
運用の結果、もともとの資産が2倍になるのは何年後かが分かる計算式もあります。72の法則と呼ばれており、『72÷(金利×100)』で計算可能です。
例えば先のシミュレーションと同様に、100万円を金利5%で運用し、資産が2倍の200万円になるのは何年後か計算してみましょう。計算は『72÷(5%×100)=14.4』となり、約14.4年で200万円に達します。
厳密な計算はできませんが、おおよその期間を知るのには有効です。
複利運用は初心者でも簡単
複利運用は難しいものではありません。そのため初心者でも簡単に実践できます。中には自動化できる仕組みもあるため、うまく活用することでスムーズに取り組めるでしょう。
利益を元本にプラスし再投資するだけ
実際に複利運用を行うには、投資で得た利益を元本に加えて再び投資するだけでOKです。株式であれば配当金が利息に該当します。投資信託であれば収益分配金です。
投資商品の中には、利益が出ると自動で再投資するものもあります。自分で手続きする手間が不要なため手軽です。再投資の時期を自分で見極めたいなら、自動的に再投資されないものを選ぶとよいでしょう。
「株式投資」は配当金を購入費用に充てる
株式投資の利益には『値上がり益』もありますが、複利運用のメリットを生かした長期投資を行うなら、配当金をメインに考えるのがよいでしょう。
特に投資を始めたばかりの時期は、配当金を引き出すのではなく再投資に回すのが向いています。
手軽に始められる「トラノコ」
複利運用を手軽に始めたいと考えているなら、『トラノコ』を利用するとよいでしょう。投資アプリのため、スマホへインストールすれば投資を始められます。
上限額を決めて毎月一定額を買い増していく積立投資に取り組めば、複利効果で利益の増え方を加速させられるかもしれません。同じ金額を貯金するだけの場合より、スムーズな資産形成ができる可能性があります。
トラノコはリスクの異なる3種類の投資信託から、投資する商品を選ぶのも特徴です。ほかの方法より商品が絞り込まれており、初心者でも選びやすいでしょう。
ほかにもある!複利運用におすすめの方法
複利運用できる方法は、株式投資やロボ・アドバイザー以外にもあります。代表的なのは『つみたてNISA』や『iDeCo』『トラノコ』です。それぞれの特徴を知ることで、自分に合った方法を見つけられるでしょう。
年40万円の非課税枠「つみたてNISA」
年40万円までの投資額に対する利益が、最大で20年間非課税になる『つみたてNISA』でも複利運用が可能です。つみたてNISAの投資対象商品は『分配頻度が毎月ではない』などの要件を満たしていなければいけません。
そのため、収益分配金を再投資する商品が豊富にそろっています。購入する商品を選ぶときに収益分配金の払出しの有無を確認しておけば、自動的に複利運用できる制度です。
※なお、2024年1月から新NISA制度が始まり、「つみたてNISA」の名称は「つみたて投資枠」へ、非課税の年間投資上限額が年120万円となり、非課税保有期間も無期限となりました。
老後資金作りに「iDeCo」
掛金全額が所得控除の対象、運用益が非課税の対象となり、受け取り時には税制優遇の対象になる『個人型確定拠出年金(iDeCo)』でも、複利運用ができます。ただしどの商品でもできるわけではありません。
利益が収益分配金として支払われず、再投資される投資信託を選びましょう。また年金制度の一環のため、運用している資金を受け取れるのは、原則的に60歳以降です。老後資金を投資によって作りたいと考えている人向きです。
「ロボ・アドバイザー」で自動化も可能
AIを活用し投資の手間を減らせる『ロボ・アドバイザー』を活用すれば、再投資の自動化も可能です。例えば、分配金が一定額以上で再投資する仕組みを備えているサービスがあります。
ほかには、自動で最適な資産配分になるよう、保有する投資商品のバランスを調整する仕組みを備えたロボ・アドバイザーもあるため、必要な機能を持つサービスを選ぶとよいでしょう。
さまざまな手続きを自動化でき、投資に多くの時間をかけられない人に向いています。ただし自分で運用するのと比べ費用が必要です。あらかじめどのくらいのコストがかかるのかを調べておくとよいでしょう。
まとめ
複利運用を実践すると、利息の増え方が加速すると分かりました。実践方法は元本に利息をプラスして再投資するだけのため、初心者でも簡単です。
また積み立て投資をサポートする非課税制度であるつみたてNISAや、自分で運用し老後資金を形成するiDeCoでも実践できます。初めての投資なら、スマホだけで取り組めるトラノコで始めてもよいでしょう。
効果的な資産形成には複利運用が役立ちます。