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フィンテックとは?何ができる?代表的なサービスをわかりやすく解説

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「フィンテック」という言葉を聞いたことがあっても、何を意味するのかわからない人は多いでしょう。近年では、フィンテックによってさまざまな金融サービスが誕生していますが、具体的に何ができるのでしょうか。今回は、フィンテックの代表的なサービスや使われている技術、今後の課題について解説します。

フィンテックとは

フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。金融と情報技術を掛け合わせることで生まれた、新しいサービスや事業領域などを指します。

IT企業と金融機関が連携しながら金融サービスを提供する動きが広がっており、一般消費者にとってフィンテックは身近なものになりつつあります。たとえば、「〇〇ペイ(Pay)」などのスマホ決済もフィンテックによって誕生したサービスです。

AI(人工知能)などの最新技術を用いることで、高い利便性と低コスト化を実現しています。

フィンテックの代表的なサービス

フィンテックの事業領域は多岐にわたり、新しい事業者の参入により多様なサービスが誕生しています。ここでは、フィンテックの代表的なサービスを紹介します。

キャッシュレス決済・送金

キャッシュレス決済は、クレジットカードや電子マネー、スマホアプリ(QRコード・バーコード)を利用して決済できるサービスです。手元に現金がなくても決済ができ、ポイント還元を受けられることから急速に普及しています。

経済産業省の資料によると、「日常生活において7~8割程度以上キャッシュレスを利用する」と回答した人は全体の54%を占めています。

最近では、相手の口座番号がわからなくても、手数料無料で個人間送金ができるスマホアプリもあります。

参考:経済産業省「消費者実態調査の分析結果」

家計簿アプリ

家計簿アプリは、スマホアプリで毎月のお金の動きを把握できるサービスです。銀行口座や証券口座、クレジットカードなどと連携すれば、自動的に収入や支出の情報が家計簿アプリに反映されます。

手軽に家計簿をつけることができ、余計な支出を抑える効果が期待できることから利用者が増加しています。

投資アプリ

投資アプリは、初心者の方でもスマホのアプリで簡単に投資を始めることができるサービスです。

年齢や資産状況、リスク許容度などに応じて資産配分や運用商品の提案を受けられます。サービスによっては、売買や資産配分の調整などの運用を任せられるため、金融知識や運用経験がなくても投資を始められるでしょう。

先ほど紹介した家計簿アプリと連携し、資産状況を把握することも可能です。

仮想通貨(暗号資産)

仮想通貨(暗号資産)は、インターネット上でやりとりできる財産的価値です。代表的な通貨には、ビットコインやイーサリアムなどがあります。

国や中央銀行が発行する法定通貨ではなく、発行主体や管理者が存在しないことが特徴です。ブロックチェーンなどの最新技術を活用することにより、銀行などの第三者を介することなく決済・送金ができることから高い注目を集めました。

仮想通貨は投資目的で取引されることが多く、価格変動が大きい傾向にある点に注意が必要です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達できる仕組みです。

商品・サービス作りや問題解決などプロジェクトを起案し、インターネットで支援を募ることで、幅広い人々から寄付や出資を受けられます。

クラウドファンディングには、金銭的な見返りがない「購入型」「寄付型」、出資により金銭的なリターンが期待できる「融資型」「株式投資型」「ファンド型」などの種類があります。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングとは、融資型クラウドファンディングのことです。事業者の仲介で個人投資家から集めた小口の資金を1つにまとめ、資金調達したい企業に融資する仕組みを指します。

一般的な銀行融資とは審査・評価基準が異なるため、迅速な融資実行が可能で、企業にとっては資金調達の選択肢が広がるのがメリットです。投資家は出資金に応じて定期的に利息を受け取ることができ、期日には出資金が返還されます。

ソーシャルレンディングは金融商品取引業法の規制対象で、仲介業者は第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。投資家として取引をする場合は、登録業者が提供するサービスかどうかを確認しましょう。

財務・会計

財務・会計は、法人や個人事業主の経理業務・税務申告などを支援するサービスです。代表的なものに、インターネット上にデータを保存・管理する「クラウド会計ソフト」があります。

銀行やクレジットカードなどと連携すれば、会計データを自動的に取り込み、簡単に決算書や確定申告書を作成できます。従来は手入力が必要だった仕訳(会計データ)や請求書発行、入金管理などを自動化できるため、業務の効率化が期待できるでしょう。

融資・ローン

フィンテックにより、IT技術を活用した融資・ローンに関するサービスが増えています。

たとえば、会員登録をすると、おすすめの住宅ローンの提案を受けられ、AIが審査に通る確率を判定してくれるサービスがあります。ローン審査にAIを活用し、手続きのオンライン化や迅速化に取り組む動きも見られます。

保険

保険分野におけるフィンテックは、保険(insurance)と技術(Technology)を掛け合わせて「インシュアテック(InsurTech)」と呼ばれています。

自動車保険では、スマホアプリや自動車内の専用機器から運転速度や走行距離などの運転情報を収集・分析し、最適な保険料を算定する仕組みがあります。

最近では、加入者同士で保険金を負担し合う「P2P保険(割り勘保険)」というサービスも登場しました。加入者が増えるほど保険料が安くなり、一般的な保険に比べて保険料の透明性が高いのが特徴です。

 

フィンテックで使われている主な技術

先ほど紹介したキャッシュレス決済などのフィンテックサービスは、新しい情報技術を金融分野に応用することによって生み出されたものです。具体的に、どのような最新技術が使われているのでしょうか。ここでは、代表的な技術とその特徴を紹介します。

AI(人工知能)

AI(Artificial Intelligence)とは、人間の思考プロセスと同じようなかたちで動作するプログラムです。機械学習などの技術により、認識や推論、分析といった人間の知的活動をコンピューター上で行うことが可能になります。

フィンテックでは、資産運用や融資・ローン、保険などの分野でAIが取り入れられています。

IoT

IoT(Internet of Things)とは、さまざまなモノをインターネットに接続する技術です。「モノのインターネット」と呼ばれることもあります。

住宅や家電製品、電子機器、車など、従来はオフラインで使用されていたモノがインターネットに接続されることで、日常生活における多種多様なデータ(ビッグデータ)の生成が可能になりました。

フィンテックでは、IoTにより蓄積されたデータを分析し、家計管理や資産運用、保険などの分野で活用されています。

API

API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアやプログラム同士をつなぐ機能のことです。

フィンテックでは、家計簿アプリなどにAPIが活用されています。銀行がIT企業などにAPIを提供し、家計簿アプリに連携することで、口座残高や入出金明細などのデータを取得することが可能です。

ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、正確な取引履歴を維持するための技術です。特定の管理主体が存在せず、複数のシステムで情報を共有する「分散型台帳」という仕組みで管理されているため、データの破壊・改ざんが困難という特徴があります。

仮想通貨の基盤となる技術ですが、今後は幅広い分野での活用・実用化が期待されます。

生体認証

生体認証とは、指紋や顔などの生体情報を利用して本人確認を行う仕組みです。パスワードを入力することなく端末のロック解除やログイン、決済認証などが行えるため、セキュリティを強固にできます。

フィンテックでは、銀行・資産運用サービスへのログインや決済などで利用されています。

フィンテックの課題

フィンテックにより、便利な金融サービスがたくさん生まれている一方で、次のような課題もあります。

セキュリティ対策

フィンテックサービスでは、個人の情報や所有資産を扱うことが多いため、不正アクセスやフィッシング詐欺などにあうリスクが高まります。

ブロックチェーンや生体認証など有効な技術はあるものの、提供されたサービスのセキュリティに問題があれば、顧客に不利益が生じるでしょう。

フィンテックサービスの安全性をより高めるためにも、セキュリティ対策は必要不可欠といえるでしょう。

ユーザーの金融・ITリテラシーの向上

フィンテックがさらに普及するには、ユーザーの金融・ITリテラシーの向上も必要です。

金融やITに関する基本的な知識があれば、フィンテックにより生まれた新しいサービスを活用しやすくなるでしょう。生体認証などの技術を使いこなすことができれば、セキュリティの面でも安心といえます。

まとめ

フィンテックにより、便利な金融サービスがたくさん生まれています。スマホ決済や家計簿アプリ、投資アプリなどのサービスは、家計管理や資産形成に有効活用できます。安心して金融サービスを利用するためにも、個人情報の管理には注意しましょう。

 

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