長期金利とは?上がると生活はどうなる?短期金利との違いや住宅ローンへの影響を解説
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近年、「長期金利が上昇している」というニュースを目にする機会が増えています。長期金利は、住宅ローン金利や預金金利など、私たちの生活に幅広く影響する重要な指標です。しかし、そもそも長期金利とはどういうものか、よくわからない人は多いのではないでしょうか。
この記事では、長期金利の仕組みや短期金利との違い、長期金利が上がった場合の生活への影響などをわかりやすく解説します。
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長期金利とは?

長期金利とは、返済期間が1年を超える資金の貸し借りに適用される金利のことです。一般的には、「10年国債利回り」が長期金利の代表的な指標とされています。
長期金利は住宅ローンの固定金利や企業への貸出金利、定期預金金利などを決める際の目安となるため、その動向は私たちの生活に大きな影響を与えます。
長期金利は市場取引で決まる
長期金利の大きな特徴は、市場取引によって決まる点です。長期金利の指標である10年国債の利回りは、投資家が債券市場で売買をするときの価格によって形成されます。
長期金利は「景気や物価は今後どうなるか」という投資家の予測が反映されやすいことから、「経済の体温計」と呼ばれることもあります。
長期金利と国債価格の関係
「長期金利と国債価格は逆に動く」という関係にあります。具体的には以下の通りです。
- 長期金利が上がる(国債価格は下がる)
- 長期金利が下がる(国債価格は上がる)
仮に国債を100万円購入する場合、金利が2%なら年2万円、金利が3%なら年3万円の利子を受け取ることができます(税金等は考慮外)。国債の金利が2%から3%に上昇すると、金利3%の国債のほうが高い収益が期待できるため、金利2%の国債の価格は下落します。
このような仕組みから、債券市場では「国債が売られる=長期金利が上がる」「国債が買われる=長期金利が下がる」という関係になっています。
長期金利と短期金利の違い

同じ金利でも、長期金利と短期金利では決まり方や影響範囲が異なります。ここでは、短期金利の基本と長期金利との違いを確認していきましょう。
短期金利とは
短期金利とは、返済期間が1年以内の資金の貸し借りに適用される金利です。代表的なものとして、金融機関同士が資金を融通し合う際に適用される「無担保コールレート(オーバーナイト物)」が挙げられます。
日常生活では、住宅ローンの変動金利やカードローン金利、普通預金金利などを通じて、短期金利の影響を受けるケースが多いでしょう。
短期金利は日銀の金融政策で決まる
長期金利は市場で決まるのに対し、短期金利は日銀の金融政策によって決まる点が大きな違いです。日銀は景気や物価の安定を目的に、無担保コールレート(オーバーナイト物)を政策金利としてその誘導目標を定めています。
通常、物価上昇を抑える必要がある場合は政策金利を引き上げます。金利が上がると資金調達しにくくなるため、経済活動が抑制されて物価上昇にブレーキがかかるからです。反対に、不景気で物価下落が続く局面では、政策金利を引き下げて経済活動を刺激します。
長期金利の変動要因

長期金利は、さまざまな要因が複雑に絡み合って変動します。主なポイントを紹介します。
景気動向
好景気のときは、企業の事業拡大や設備投資、個人消費が活発になります。資金需要が高まり、金融機関からお金を借りたい企業や個人が増えるため、長期金利は上昇しやすくなります。反対に不景気のときは資金需要が落ち込み、長期金利は低下しやすくなります。
物価の見通し
物価上昇が続くと、預貯金の実質的な価値は目減りします。同じ商品・サービスを購入するために、これまでよりも多くのお金が必要になるからです。その結果、より高い利回りを求める投資家が増えて国債が売られやすくなるため、長期金利の上昇につながります。
日銀の金融政策
長期金利は市場で決まりますが、日銀の金融政策の影響も受けます。例えば、日銀が利上げを実施するとの観測が強まると、長期金利は上昇しやすくなります。また、日銀は国債の買い手でもあるため、国債買い入れを減らすと長期金利に上昇圧力が働く可能性があります。
国債の需給バランス
国債の需要と供給のバランスも重要なポイントです。国債が大量に発行され、買い手不足により国債が売れにくくなると、長期金利が上昇する可能性があります。
一方で、景気悪化への不安で「比較的リスクの低い国債に資金を移したい」と考える人が増えるなど、国債への需要が高まると長期金利は下がりやすくなります。
海外の金利動向
米国など海外の長期金利が上昇すると、より高い利回りを求めて資金が海外へ流れる可能性があります。その影響で日本の国債を買いたい人が減ると、日本の長期金利も上昇しやすくなります。
国の財政政策
物価高対策や防衛費増額などによって支出が増えると、国は足りない資金を補うために国債を発行します。国債発行額が増えると買い手が不足することに加え、国の財政悪化への懸念が市場に広がるため、長期金利の上昇圧力になります。
長期金利が上がると生活はどうなる?

長期金利の上昇は、家計にとってプラスとマイナスの両面があります。具体的な影響を見ていきましょう。
定期預金金利の上昇
長期金利が上がる局面では、連動して定期預金の金利も上昇する傾向にあります。
日本は低金利環境が長く続き、これまでは定期預金にお金を預け入れても利息がほとんど付きませんでした。しかし、長期金利が上昇すれば、定期預金の利息収入が増える可能性があるでしょう。
関連記事)定期預金の中途解約はペナルティがある?デメリットと損しないための対策を紹介
保険の予定利率の上昇
予定利率とは、保険会社が契約者に対してあらかじめ約束する運用利回りです。一般的に、予定利率は長期金利を基準に設定されるため、長期金利が上昇すれば、予定利率が引き上げられる可能性があります。
予定利率が上がると保険料が下がるため、保険を見直すことで保険料負担の軽減が期待できます。
住宅ローンの固定金利の上昇
一方で、注意したいのが住宅ローンの固定金利です。長期金利と連動するため、金利上昇局面では借入時の金利が高くなり、総返済額が増えやすくなります。
ただし、影響が出るのはこれから住宅ローンを組むケースです。すでに固定金利型の住宅ローンを組んでいる場合、市場金利が上昇しても固定金利期間中の返済額は変わりません。
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長期金利が上昇する局面では、住宅ローンだけでなく、保険や家計全体の見直しが必要になるケースが少なくありません。
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まとめ
長期金利は、住宅ローンの固定金利や保険、預金金利など、私たちの身近なお金に幅広く関わっています。長期金利は景気や物価、日銀の金融政策といったさまざまな要因で変動することを理解しておけば、金利が動いたときも落ち着いて行動しやすくなるでしょう。
なお、長期金利の上昇によって家計の負担が増える場合は、定期預金では得られない高い利回りが期待できる「利回りファンド」を検討するという考え方もあります。資産を増やすアプローチの一つとして、無理のない範囲でこのような利回り系商品を検討してみてはいかがでしょうか。









