インフレで株価は上がる?過去の例とおすすめの投資方法
公開日: 最終更新日:インフレが起こると株価にはどのような影響があるのでしょうか?インフレに関する基本的な知識を押さえた上で、株価との関係を過去の例とともに見てみましょう。インフレ時に株価上昇が期待できる銘柄や、初心者におすすめの投資手法も解説します。
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インフレとは
お金の価値は一定ではありません。さまざまな商品の値段が上がり、これまでと同じ買い物をするのにより多くのお金が必要になったとしたら、相対的にお金の価値が下がることになります。これをインフレ(インフレーション)の状態と言います。
ではインフレになる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?またインフレ対策として活用できる投資方法はあるのでしょうか?
物価が上昇しお金の価値が下がっている状態
例えばこれまで100円だった商品の値段が125円に値上がりするようなインフレの状態になると、1000円のお金で10個買えたものが8個しか買えなくなってしまいます。1000円というお金の価値が商品10個分から8個分へ目減りすることになります。
一方で商品の値段が上がれば同じ数量を販売しても企業の売上は増えることになります。売上が増えることで従業員の給料を上げる企業も出てくるでしょう。
消費者の行動面でも変化があらわれるでしょう。商品が高くなる前に買いたいと考え、買い物をする人が増えることが考えられます。
同時に不動産のように物価上昇により価値が高まる資産を持っている場合、資産額が大きく増えていきやすい状態といえます。
インフレの種類
インフレがおこるケースは、その発生原因により『コストプッシュインフレ(供給インフレ)』と『デマンドプルインフレ(需要インフレ)』の2種類で説明されることが多く、それぞれの特徴は以下の通りです。
- コストプッシュインフレ:原材料価格や賃金などの上昇が原因で起こる
- デマンドプルインフレ:ものがよく売れ需要が供給を超えることが原因で起こる
2種類のインフレが同時に起こるケースはほとんどありません。しかし足元、新型コロナウイルス感染症による特殊な状況下で、2種類のインフレが同時に起こりインフレ率を高めているのではと考えられています。
インフレ時に活用できる投資方法
お金の価値が相対的に下がるインフレ時には、現金資産として持っていると、相対的に資産価値が目減りすることになります。インフレ対策を意識するなら、『不動産』や『金』などの『実物資産』を持つことを考えましょう。
実物資産は物価上昇に連動して値段が高くなります。例えば不動産のような資産は、物価が上がれば徐々に資産価値が上昇していくことに加えて家賃収入を得ている場合なら、家賃の上昇も見込めます。そのため、実物資産はインフレ時に資産価値を維持・増加させるのに向いている投資対象と言えます。
またインフレが起こると株価も同時に上がりやすくなる傾向があります。そのため株式投資もインフレ時に活用できる投資手法として有効だと考えられます。より詳しく見ていきましょう。
株価とインフレの関係
株価がインフレにより上がりやすいのはなぜなのでしょうか?両者の関係性からその理由を解説します。ただしインフレが起きたとしても、必ずしも株価が上がるわけではなく、反対に株価が下がるケースもありますので、注意が必要です。
インフレで株価が上がりやすい理由
インフレにより株価が上がりやすいのは企業の利益増加につながる可能性が高いからです。インフレ下では企業は商品の値上げを行いやすくなります。もちろん、材料費などの原価、従業員の給料などが上がり利益を圧迫する要因にもなりますが、多くの場合、売上の増加が先行します。
その結果、企業の利益増加につながるケースが増えていきます。利益がアップすることで企業の業績が株式市場で評価されれば株価が上昇することになります。これがインフレが発生すると株価が上昇しやすい理由です。
インフレ率が急上昇した場合
長い期間で見ると、インフレ率も株価も上昇しています。しかし短期間で見ると、急激なインフレが株価の下落につながったケースもあります。
例えば第1次石油ショックの起こった1974年前後は、インフレ率が8%なのに対し株式の収益率はマイナス2.5%でした。急激なインフレの進行により株価が下落するのは、経済の先行きに関して不安感が発生するためと考えられます。
経済の先行きに不安感があるときは企業収益の見通しも低めに行われることから、それに応じて株価も低く評価されるからです。また、過度なインフレを抑える目的で金利上昇を促す金融引き締めが政策的に取られた場合、企業の資金調達コストが上昇し、企業活動に制限がかかることが、株価の下落に影響すると考えられます。
インフレで株価が上がりやすい銘柄は?
インフレだからといってすべての株価が一律に上がるわけではありません。そのため、インフレ時に収益を拡大しやすい業界の銘柄を選ぶことが一つの投資手法です。
ただし、初心者が特定の銘柄を戦略的に選ぶのは難しいでしょう。そこでインデックス投資の手法も紹介します。
金融株、資源エネルギー関連株など
インフレ時には急激な物価上昇が起こらないよう、日本銀行による金融引締め政策がとられやすくなることで金利上昇が促されます。そのため金利を得て収益としている『金融関連』の株価が上昇しやすいでしょう。
また商品価格の上昇分がそのまま収益につながる『資源エネルギー関連』の株価も上昇しやすいといえます。特に油田・鉱山などを保有している企業は、インフレによる恩恵を受けやすいため株価の上昇が期待できるでしょう。
このほかの業種でも、値上げしたときに顧客離れが生じにくいブランド力や技術力などのある企業の株価は高まりやすいため、インフレ時の投資銘柄としておすすめです。
初心者にはインデックス投資がおすすめ
ただ、株式の銘柄は国内株式だけでも3800以上あります。この中からインフレ対策に最適な株式を選ぶのは難しいでしょう。そこでおすすめなのが『インデックス投資』です。
『日経平均株価』や『S&P500』など、マーケット全体の動きを示すインデックスと同じ動きをするよう、複数の銘柄を組み合わせて投資する手法をいいます。
インデックス運用を手軽に始めるには『投資信託』を選ぶとよいでしょう。投資のプロであるファンドマネージャーが方針に基づき運用している投資信託は、初心者でも投資に取り組みやすい商品です。
「トラノコ」なら長期分散投資も可能
初心者にとって取り組みやすいインデックス投資ですが、様々な地域や資産のインデックスに分散して投資し、投資タイミングも分散させることで、さらにリスクを低減させることもできます。
「トラノコ」であれば、「資産」「地域」「時間」を分散させた長期運用によってリスクを抑えた資産づくりが可能です。最低投資額を設定するだけで、毎月定額で投資対象の投資信託(トラノコファンド)に積み立て投資が行えるため、定期的に無理なく簡単に世界の資産に幅広く投資することができます。
まとめ
インフレとは物価の上昇により、お金の価値が目減りする状態です。そのため資産を現金や預貯金で持っていると、保有している金額は変わらなくても、購入できる商品の量が減ってしまうかもしれません。
資産が減るのを防ぐには、不動産や金など実物資産の保有や、インフレと連動し価格が上昇しやすい株式投資に取り組むのがよいでしょう。
株式の中でも金融関連や資源エネルギー関連の銘柄を選べば、インフレに合わせた株価上昇が期待できます。ただし的確な銘柄選びは難しいため、投資初心者ならインデックス投資のできる投資信託を選ぶのもよい方法です。
インフレと株価の関連について知ることで、お金の価値が相対的に下がる局面でも、資産を効果的に増やせるでしょう。初めての投資ならトラノコの利用もおすすめです。