金投資の特徴は?注目される理由とメリット・デメリット、おすすめの投資方法を解説
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金(ゴールド)は、希少性の高い実物資産です。近年は投資先として注目度が高まっており、金の価格は上昇傾向にあります。金に投資する場合、どのような方法があるのでしょうか。この記事では、金投資が注目される理由とメリット・デメリット、初心者の方におすすめの投資方法を紹介します。
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金投資とは
金投資とは、貴金属である金(ゴールド)に投資することです。金と聞くと、アクセサリーや金貨などをイメージするかもしれません。しかし、金には宝飾品加工の他に、投資や中央銀行の外貨準備などの需要もあります。
金投資の特徴
株式や債券などの価値は、発行体である国や企業の信用や業績などによって決まります。一方、金は世界共通の資産として、現物そのものに価値があるのが最大の特徴です。金は埋蔵量が限られており、希少性の高さがその価値をさらに高めています。
また、金は現物そのものに価値が認められているため、紛争や景気後退などの非常時に人気が高まり、価格が上昇する傾向にあります。
金は資産を増やすためよりも、「資産を守る、目減りするリスクを抑える」という目的で投資されることが多い資産といえます。
金投資が注目される理由
金価格は歴史的な高値圏で推移するなど、投資家からの注目度が高まっています。金投資が注目される主な理由は以下の3つです。
物価上昇が続いている
新型コロナ禍からの経済正常化、ロシアによるウクライナ侵攻などをきっかけに、原材料価格やエネルギー価格、物流費などが上昇し、世界的にインフレ傾向が続いています。インフレとは、商品やサービスの値段が継続的に上がることです。
インフレになると、預貯金の価値は実質的に目減りします。同じ商品・サービスを購入するのに、これまでよりも多くのお金が必要になるからです。インフレ局面では、世界共通の価値を持つ金の人気が高まる傾向にあります。
地政学リスクが高まっている
ウクライナ情勢や中東での緊張、中国と台湾の関係など、世界各地で地政学リスクが高まっています。国際情勢が不安定になる局面では、金への需要が増加しやすくなります。
投資家は先行きが不透明な状況ではリスク回避の姿勢を強め、紛争などの影響を受けにくい金へ資金を移す傾向にあります。
金利水準が低い
日本では、長期にわたって低金利の状態が続いています。近年は利上げ傾向にありますが、それでも銀行預金でお金を大きく増やすのは難しい状況です。金利水準が低い状況にあることから、利息を生まない金の相対的な魅力が高まっていると考えられます。
金投資のメリット
金投資には次のようなメリットがあります。
インフレに強い
インフレはモノの値段が上がり、お金の価値が下がる状態です。金はそのものに価値のある実物資産であるため、インフレになると価格が上昇する傾向にあります。保有資産の一部を金で保有すれば、インフレ時に資産の目減りを防ぐ効果が期待できます。
近年では日本でもインフレが進行しているため、金投資の必要性は高まっているといえるでしょう。
有事に強い
株式や債券などの有価証券は、世の中が安定しているときや好景気のときは上がりやすい一方で、有事の際は売られやすい資産です。
金は、株式や債券などとは反対の値動きをする傾向にあります。そのため、戦争や紛争、世界的な景気後退などの有事の際に買われやすい特徴があります。
無価値になる可能性が低い
金は世界共通の資産価値があるうえに、埋蔵量に限りがある希少性の高い実物資産です。発行体の財政状態や業績などに価値が左右されることがなく、安全資産として広く認識されているため、無価値になる可能性が低いといえます。
金投資のデメリット
金投資にはデメリットも存在します。株式などの一般的な金融商品とは異なる特徴があることを理解したうえで、投資を行うか判断することが重要です。
購入価格よりも下がる可能性がある
金は安全資産とみなされることが多いですが、預貯金のように元本が保証されているわけではありません。株式などの金融商品と同じように、需給バランスなどに応じて価格は日々変動しています。
近年は、インフレや地政学リスクの高まりを受けて金価格は上昇傾向にあります。しかし、金価格の上昇が今後も続く保証はありません。取引のタイミングによっては、購入価格よりも下がる可能性があります。
利息や配当を生まない
金は、利息や配当を生まない資産であることもデメリットの一つです。
株式や債券などは、保有期間に応じて定期的に利益を得ることができます。たとえば、株式は配当、債券は利子を得られるため、値上がりしなくても、長期保有すれば利益を積み上げることが可能です。
しかし、金は長く保有しても、購入時より価格が上昇しなければ利益を得ることができません。
為替相場の影響を受ける
金の取引は米ドル建てで行われるため、国内の金価格は為替相場の影響を受けます。
例えば、円安になると為替差益が生じるため、米ドル建ての金価格は変わらなくても、円換算後の金価格は上昇します。反対に円高になった場合は為替差損が発生し、円換算後の金価格は下落します。
金に投資する場合は、金価格だけでなく、為替相場の動向にも注目しておく必要があるでしょう。
金に投資する3つ方法
金に投資する方法は、主に「現物購入」「純金積立」「投資信託」の3つがあります。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
現物購入
現物購入は、金地金(金の延べ棒)や金貨などの現物を購入する方法です。手元に置いて眺める楽しみがありますが、通常はまとまった資金が必要です。また、自宅で保管すると紛失や盗難のリスクがあります。貴金属メーカーに保管してもらうことも可能ですが、保管コストが発生する点に注意が必要です。
純金積立
純金積立とは、毎月一定額の金を購入し続ける方法です。貴金属メーカーや証券会社などが取り扱っています。毎月3,000円などの少額から始められ、現金化する以外に、一定数量に達すると金貨や金地金などの現物と交換することも可能です。積立金額が少額の場合、手数料が割高になることがあります。
純金積立の保管方法は「特定保管(混蔵寄託)」と「消費寄託」の2種類があります。
特定保管は、契約者が積み立てた金と運営会社の財産を区別して保管する方法です。積み立てた金の所有権は契約者にあるため、万が一運営会社が倒産しても預けている金は原則として保全されます。消費寄託は、積み立てた金の所有権は運営会社に移転するため、運営会社が倒産すると預けている金が戻ってこないリスクがあります。
純金積立をする場合は、特定保管を採用している運営会社を選ぶほうが安心といえます。
投資信託
金価格との連動を目指して運用される投資信託を購入することで、金に投資する方法です。1,000円などの少額から投資を始めることができ、積立投資にも対応しています。金の現物を購入することはできませんが、紛失や盗難のリスクを回避できます。また、比較的低コストで運用を続けることが可能です。
金投資を始めるなら投資信託がおすすめ
初心者の方が金投資を始めるなら、投資信託がおすすめです。金価格は上昇傾向にありますが、短期では大きく下がる可能性もあります。一度にまとまったお金を投資すると、高いときに買ってしまうかもしれません。
毎月一定額を購入する積立投資であれば、価格が高いときは少なく、価格が安いときは多く購入することになります。積立投資を長く続けることで、平均購入単価を平準化させる効果が期待できます。純金積立に比べると、手数料を安く抑えることができるのも魅力です。
「トラノコ」なら金も含めて簡単に国際分散投資ができる
金投資を手軽に始めたい場合は、投資アプリ「トラノコ」の利用を検討してみましょう。
トラノコでは、3つのファンドから選ぶだけで本格的な国際分散投資を始められます。投資対象には国内外の株式や債券のほかに金も含まれています。金価格に連動する投資信託を別に購入することなく、金も含めて簡単に分散投資が可能です。
まとめ
金は世界共通の資産価値を持つ、希少性の高い実物資産です。インフレや紛争、世界的な不景気など、世界が混乱する場面で人気が高まる特徴があります。金投資に興味があるなら、少額から手軽に始められる投資信託を検討してみてはいかがでしょうか。