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分散投資の基本。分散投資の種類ややり方、メリットを紹介

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初めて投資にチャレンジするなら、分散投資を意識することが大切です。考え方や方法について理解を深めておけば、リスクを抑えた安定的な投資ができるようになるでしょう。分散投資の基本やメリット、代表的な方法を紹介します。

分散投資とは?

投資リスクを軽減する代表的な方法の一つが分散投資です。具体的にどのような考え方なのかを解説します。

投資先を限定せず複数に投資する

分散投資とは、投資先を一つに限定せず、複数に分けて投資することです。長期投資と並び、投資リスクを軽減する考え方として覚えておく必要があります。

例えば、100万円を一つの金融商品に投資した場合、運用に失敗したら100万円を失いかねません。大きなリターンを期待できる反面、損失も大きくなりやすいのが、投資先を絞ることのデメリットです。

一方、100万円を分割して複数の商品に投資すれば、一つの投資先では資産がなくなったとしても、ほかの投資先に投じた資産は残っています。一気に大きな利益を狙いにくい反面、リスクも低く抑えられるのが分散投資のメリットです。

分散投資の四つの方法

分散投資には、分散する対象ごとに四つの異なる考え方があります。いずれも投資リスクの軽減につながる方法であることを理解しましょう。

地域の分散

まずは地域を分散する投資方法を見てみましょう。最も分かりやすい例が、国内と国外に投資先を分ける方法です。

投資結果は、投資先の国における経済状況や社会情勢に大きく影響されます。投資先の地域を分散することで、国や地域ごとに発生するリスクを分散することが可能です。

種類が違う金融商品に分けて投資をしても、全て日本国内の商品なら、日本であることが理由で受ける影響は似てしまいます。アメリカの株を買ったり、全世界を対象とした投資信託を購入したりするのが効果的です。

同じ海外でも、アジアとヨーロッパ、先進国と新興国といった分け方もできます。円とドルなど通貨を別にするのも有効です。

時間の分散

投資する時間を分散するのも、リスクを散らす方法として効果を発揮します。常に適切なタイミングで資金を投入できるとは限らないためです。

例えば、儲かると見極めたタイミングで大金を投入した場合、結果を出せなければ一気に大きな損失が生まれかねません。資金を複数回に分けて投入すれば、タイミングを見誤るリスクを時間差で分散できます。

時間の分散は、一定額を定期的に自動投入する積立投資で簡単に実践可能です。投資期間が長期になるほど、1回の値動きの影響を受けにくくなります。

資産の分散

異なる種類の金融商品に分けて資金を投入するのが、資産の分散です。一つの商品へ集中投資するのに比べ、リスクを低く抑えられます。

資産の分散を考える際は、投資対象の特性の違いによりグループ分けしておきましょう。値動きの傾向が異なるグループの商品に投資先を分ければ、分散効果をさらに高められます。

例えば、国債・地方債・社債に分散しても、全て同じ国内債券であるため、大きな効果を期待できません。国債を投資先の一つに選ぶなら、そのほかは国内債券以外のグループから選ぶのがおすすめです。

投資先の分散

一つの資産クラス(金融商品の種類)をさらに掘り下げて分散投資するのが投資先の分散です。例えば、同じ株式を購入する場合でも、株の発行会社を分ければリスクを効果的に分散できます。

投資先を分ける場合は、特性が異なる投資先に資金を投入することが大切です。株式購入を例に挙げれば、業種が違う発行元の株式を複数選ぶことで、より効果的に資金を分けられます。

全ての分散投資に共通するのは、単に分ければよいわけではないという点です。分散する対象同士が、お互いのマイナス面を補うような形にならなければ、効果は半減してしまいます。

分散投資の特徴は?

投資初心者に向いている分散投資には、どのような特徴があるのでしょうか。主なメリット・デメリットを紹介します。

投資リスクを軽減できる

分散投資における最大のメリットは、投資リスクの軽減につながることです。資金や投資先を複数に分けることで、一気に大きな損失の出るリスクを回避できます。

資産を複数に分けておけば、一つの商品が値下がりしても、ほかの商品の値上がりによって損失をカバーすることが可能です。投資対象を多様化させるほど、価格変動リスクを抑えられます。

資産損失リスクを効果的に減少させるためには、投資対象の特性をできるだけ異なるものにしなければなりません。お互いのマイナス面を補完し合う関係にあるものに投資できれば、トータルリスクをより低く抑えられます。

大きなリターンを得にくい

分散投資のデメリットとしては、大きな利益を狙いにくい点が挙げられます。複数の投資先が同じ値動きをしにくくなるためです。

大きなリターンを得にくい点は、リスクを軽減できる特徴の裏返しともいえます。分散投資で運用する場合には、短期間で大きく儲けることはほとんど不可能です。

ただし、将来的には利益を大幅に増やせる可能性があります。分散投資は長期投資とセットで考えるのが基本です。少しずつ利益を積み重ねれば、数年後や数十年後にはまとまった儲けになっている可能性を期待できます。

投資タイミングの見極めが不要

資金投入のタイミングを見極める必要がないことも、分散投資の大きな特徴です。長期スパンでの価格変動を見ることになるため、損切りや利確に関しても基本的に意識せずに済みます。

投資タイミングの見極めが必要なのは、短期で結果を出したいときのみです。一つの商品に資金を集中投入した上で、投資の知識や情報を駆使してタイミングを見極めなければなりません。

一方、分散投資なら市場に参加し続けることで将来的に利益を出せればよいため、日々の値動きを気にしなくても運用を続けられます。日々忙しい生活を過ごしていて相場の値動きを読めない人々にも適した考え方です。

分散投資の方法

分散投資の考え方を取り入れた代表的な投資手法を三つ紹介します。それぞれの内容を理解し、投資に取り組む際の参考にしましょう。

積立投資

特定の金融商品に対し、定期的に資金を投入していく投資手法が『積立投資』です。長期運用を基本とし、時間分散の効果を享受します。

少額から投資できることが、積立投資の大きなメリットです。まとまったお金がなくても取り組めるため、投資に高いハードルを感じている初心者に向いています。

時間の分散がベースにあることから、一括で購入する場合と違って投資のタイミングを見極める必要もありません。自分の都合に合わせて、購入する頻度や投入額を決めておくだけで済みます。

投資信託

『投資信託』とは、複数の投資家から集めた資金をひとまとめにし、投資のプロが運用していく手法です。集まった資金は、目論見書等に記載された投資方針に従って、一般的に数十~数百の金融商品へ分散投資されます。

積立投資と同様に、投資信託も少額から始めることが可能です。実際の運用は専門家が行うため、商品の選定や投入金額に悩む必要もありません。

数多くの投資先に分散される仕組みであることから、結果的にリスクが分散される点もメリットです。運用がうまくいけば、成果は投資家に分配されます。

ドル・コスト平均法

価格変動が生じる商品に対し、定期的に同じ金額を購入し続ける手法が『ドル・コスト平均法』です。積立投資はドル・コスト平均法をベースに行われます。

常に同額を購入するのがドル・コスト平均法のポイントです。時間を分散しても投入金額に差がある場合、分散効果が弱まりかねません。しかし、同額を購入し続けることで値動きの影響をより受けにくくなり、平均購入額の低減につながります。

投資信託にもドル・コスト平均法の考え方を反映させることが可能です。ドル・コスト平均法は毎月決まった金額を投資すれば済むため、投資に慣れていない初心者に適しています。

長期・積立・国際分散投資を実現する「トラノコ」

トラノコは、分散投資が簡単にできる資産運用アプリ。国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)、金などのコモディティを投資対象とする上場投資信託(ETF)に投資することで、幅広い国際分散投資を毎月容易に行える仕組みです。

ETFを用いた分散投資は個人でもできますが、最適な資産配分をし続けるためには、それぞれの資産の値動きに応じて、組み合わせと投資量の調整を行うことが重要になります。トラノコではプロのファンドマネジャーが高度な数理モデルに基づいてファンドのリバランスを行っています。

トラノコはドル・コスト平均法で毎月同じ額を投資を行うことも、日々のお買い物の端数を投資に回すおつり投資も、各種ポイントやANAマイルを投資することも可能。ご利用者の好みに合った使い方ができることも特徴です。

資産運用サービス「トラノコ」について

まとめ

分散投資とは投資先を複数に分ける考え方のことです。地域・時間・投資先・資産を分散できます。

投資リスクの軽減につながる点や、投資タイミングの見極めが不要な点が、分散投資の主なメリットです。ただし短期的に大きなリターンは期待できません。

分散投資を用いた代表的な投資手法として、積立投資や投資信託、そして資産運用サービス「トラノコ」が挙げられます。初めて投資に取り組む場合は、分散投資を意識し、長期目線での資産形成を心掛けましょう。

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