投資におけるリスクとは?分散投資と長期投資を意識した投資を
公開日:一般的に、投資にはリスクが付き物と言われることがありますが、『危険』を意味するリスクと、投資の世界で言うところのリスクは異なります。投資のリスクとはどのような意味なのでしょうか?併せてリスクの種類や、回避するための方法も紹介します。
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投資におけるリスクとは?
投資におけるリスクとは、価格の振れ幅のことを指します。投資商品の価格の多くは常に変動しており、価格の振れ幅が大きい場合は、その投資商品はハイリスクなものと言われます。
ハイリスクな投資商品は、価格の振れ幅が大きいことで、大きな損失を出す可能性もありますが、逆に大きな利益(リターン)が得られる可能性もあります。つまり、リスクとリターンは一般的に相関関係があります。
投資のリスクは価格の振れ幅
投資におけるリスクを定量的に表現するためには、「標準偏差」という数値が用いられます。例えば、平均リターンが3%で標準偏差が5%の投資商品なら、価格の振れ幅は平均リターンの周囲に上下5%の範囲に収束することを示します。具体的には、この例ではリターンは概ね(約68%)で、-2%~+8%の間に収まることになります。
つまり、リスクの指標としての標準偏差は、投資家にとって投資商品の価格変動の予測を支援し、その商品のリスクを理解するのに役立つのです。投資家は標準偏差などの情報を鑑み、リスクとリターンのバランスを考慮して適切な投資商品を選択することが重要です。
リスクが大きいほどリターンも大きい可能性
リスクとリターンは相関関係にあると言えます。つまり、一般的にリスクが高い(ハイリスク)投資商品は、それに見合った高いリターンをもたらす可能性があります。逆に、リスクが低い(ローリスク)投資商品は、リターンも比較的低い傾向があります。
投資家が高いリターンを望む場合は、それに見合ったリスクを取る必要があります。例えば、株式や外国為替取引(FX)などのハイリスク・ハイリターンな投資商品は、市場の変動により大きな利益を得る可能性がある一方で、大きな損失を被る可能性も高くなります。
リスクを抑えて安定した運用を目指す場合は、債券や預貯金などのローリスク・ローリターンな投資商品を選択することが考えられます。これらの投資商品は比較的価格変動が少なく、安定した利益を期待できる一方で、高いリターンを得ることは難しい傾向があります。
- ハイリスク・ハイリターン:株式・FX
- ローリスク・ローリターン:債券・預貯金
ただし、投資においてリスクとリターンは必ずしも一直線上にあるわけではありません。リスクを取らないからと言って必ずしも低リターンになるわけではなく、リスクを取ったとしても必ずしも高リターンが得られるわけでもありません。リスクとリターンのバランスは、投資家のリスク許容度や投資目標に応じて慎重に考慮する必要があります。
リスクには種類がある
価格の振れ幅を示すリスクには種類があります。例えば『信用リスク』『価格変動リスク』『為替変動リスク』『金利変動リスク』です。これらはどのような特徴があるのでしょうか?
発行元の支払い能力による「信用リスク」
『信用リスク』は、投資商品を発行している企業や国などが、財政難や経営不振などの理由から、投資家から預かっていたお金(元本)や利息の一部または全部を、あらかじめ決められた条件で支払うことができなくなる可能性のことを言います。
例えば、国が発行する債券である国債は比較的安定した運用が期待できるとされますが、発行国の財政状況によって信用リスクが異なります。政治や経済の情勢が不安定な国の国債は信用力が低く、ハイリスクとなります。こうした国の債券はデフォルト(債務不履行)の可能性もあるため、投資家は格付け機関が発表している信用格付けなどを参考にして判断します。
相場変動による「価格変動リスク」
投資商品の価格の多くは、国内外の景気や経済、株式であれば発行企業の業績など様々な要因で変動しますが、このように価格が上下する可能性のことを言います。株式、債券、投資信託など、投資商品は価格が上がったり下がったりするため、売却時に必ずしも購入時より高く売れるとは限りません。
通貨のレートによる「為替変動リスク」
外国株式・外国債券・外国投資信託など、異なる通貨の為替相場の動きなどにより、外貨建ての円換算による金融商品の価値が変動する可能性のことを言います。
例えば、1ドル=100円の時に100万円分の資金をドルに両替し、1万ドルの投資を行ったとします。その後、購入時と同じ1万ドルの投資商品を売却し、日本円に両替しました。この時の為替レートが1ドル=120円であったと仮定します。
1万ドルを1ドル120円で日本円に両替するため、120万円になります。投資商品の価値は1万ドルのままなので、利益は得られませんが、円安になったことで為替差益が発生したということになります。
逆に、投資で利益が生じていたとしても、為替により損失が出るケースもあります。
金利の変化による「金利変動リスク」
金利の変動により資産の価値が変動する可能性のことを言います。特に債券は金利の変動の影響を大きく受けます。一般的に金利の上下と債券価格は以下のような関係があります。
- 金利が上がるとき:債券価格=下落
- 金利が下がるとき:債券価格=上昇
経済が好景気に突入すると、金利は上がりやすくなります。このタイミングでは企業の業績も上がりやすいため、株式の方がより大きな利益を得られる可能性が高くなります。このため債券の需要が低下し、債券価格は下落する傾向があります。
一方で、経済が停滞期に入ると金利は下がる傾向にあります。この時、企業業績も低迷することで株式の利回りがあまり高くならない傾向にあり、投資家は安定的な運用を求めて債券に資金を流すことが増えます。その結果、債券の需要が高まり、債券価格が上昇することが一般的です。
リスクヘッジの方法
投資を行う際には、様々な種類のリスクがあることがお分かり頂けたかと思いますが、投資商品の選び方や取り組み方によってリスクを抑えることができます。具体的なリスクヘッジの中で、『分散投資』と『長期投資』の2種類についてお伝えします。
複数の投資商品へ投資する「分散投資」
1つの投資商品に資産を集中させると、その投資商品の運用がうまくいかなかった場合に、資産が大きくマイナスになってしまう可能性があります。しかしながら、値動きの異なる投資商品の幾つかに分散して投資することで、リスクを抑えることができます。
分散投資には、投資の際に、複数の国や地域に分散する「地域分散」、株式や債券など複数の金融資産に分散する「資産分散」、投資タイミングを分散する「時間分散」などがあります。
長く保有し続ける「長期投資」
長期投資とは、短期間に金融商品の売買を繰り返すのではなく、長期にわたりじっくりと投資する方法です。
投資家の運用成績を調査すると、10年や20年と長期にわたって投資商品を保有し続けている方が、平均収益率が安定する傾向があります。投資で利益を得るためには、地道に投資資金を積み上げることが重要なポイントです。
リスク回避には投資信託がおすすめ
初めて投資に取り組む場合、分散投資ができる投資信託を選ぶことをおすすめします。投資信託は複数の資産を組み合わせて運用されるため、一つの投資商品に偏ることなくリスクを分散できます。特に、初心者の場合はリスクを抑えつつ経験を積むことが大切です。
毎月同じ金額を買い増すだけでOK
世界中の株式・債券・REITなど、様々な商品で運用されている投資信託である『バランスファンド』は、買うだけで分散投資が可能です。バランスファンドは、複数の資産クラスを組み合わせることでリスクを分散し、安定したリターンを追求することを目指しています。
バランスファンドを購入する際には、まとまった資金を一度に投資するのではなく、毎月同じ金額を積み立てていく「積立投資」が効果的です。
例えば毎月1万円ずつ購入すると、価格が高いときには購入する量が少なくなり、価格が低いときには多くなるため、購入単価の平均を低く抑えることができます。これにより、市場の変動によるリスクを和らげることができるのです。
さらに、バランスファンドを少しずつ買い増し、長期間保有し続けることでリスクを抑えた投資が可能となります。市場は常に変動するため、短期的な価格の変動に惑わされず、長期的な視点で投資を進めることが重要です。長期的な保有によって、市場のサイクルを乗り越えて成果を上げることができるでしょう。
手軽に長期分散投資をするなら「トラノコ」
投資信託で手軽に長期分散投資をするなら、投資アプリ『トラノコ』が向いています。世界中の投資商品を組み込んでいる3種類の投資信託から、リスクの違いに応じて選ぶだけで、投資を始められるアプリです。
最低投資額を設定すれば、毎月決まった金額の積立投資ができます。こつこつ長期間かけて積立投資を続ければ、長期分散投資が可能です。
まとめ
投資商品は価格が変動します。その価格の振れ幅がリスクです。リスクには主に、信用リスク・価格変動リスク・為替変動リスク・金利変動リスクなどがあります。
様々なリスクを考慮し、安定した成績で資産を運用するには、投資先を分ける分散投資と長期間保有する長期投資が有効です。初めて投資に取り組む場合、分散投資ができる投資信託を選ぶことをおすすめします。投資信託は複数の資産を組み合わせて運用されるため、一つの投資商品に偏ることなくリスクを分散できます。
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